へむへむ

右肩の天使のへむへむのレビュー・感想・評価

右肩の天使(2002年製作の映画)
4.2
右肩の天使、イスラムではよく知られた教えだそう。人は皆、生まれながらに両肩に天使を乗せており、 右肩の天使はその人間の良い行いを記録し、左肩の天使は悪い行いを記録する、と。最後の審判では両天使が書き留めたノートの重さを天秤にかけることで、天国行きか地獄行きかが決定されるのである。

主人公ハムロの前科について深くは触れられていないが、劇中の素行に彼自身の粗雑さが表れているのかと思いきや向こうのバザールではよく目にする光景だったりだそうで、彼らが生活する様をそのまま見せていると知りより好きになった。

キアロスタミ作品もそうだが、なにより小さな坊やの眼差しと表情、そして巧みな措辞。これに勝るものは無いし、流れる血も涙も浄化されていくとさえ思わせてくれる。
へむへむ

へむへむ