〜徹底的に生きることにこだわった戦争映画〜
(一部ネタバレあります)
神木隆之介演じる主人公は、特攻隊から逃亡して不時着した孤島で、ゴジラに襲われた同胞を見殺しにした過去から逃れられず、苦悩を抱えて戦後の東京で生きていました。
そんな彼の元に孤児を抱えた浜辺美波💖演じるヒロインが転がり込み、隣家の安藤サクラ演じる未亡人と4人で擬似家族的な生活が始まります。
生活も少し安定してきた頃、原爆実験で巨大化したゴジラが現れ、東京に壊滅的な損害を与えます。
主人公は自らの「戦争」に決着をつけるため、再び戦闘機に乗りゴジラとの対決に向かいます。
あらすじはこんな感じですが、怪獣特撮映画である限り、「人間」を描くコマは制限を受けざる得ない中、テンポ良くストーリーは展開し、佐々木蔵之助他の助演者も手堅くこなし、それなりに感情移入できたかな、と思います。
だから最後のドンデン返しでは思わず涙腺が💦
特攻隊の生き残りが、家族・日本を守るために身を犠牲にして死地に飛び込む、といういわば「お決まり」の図式でありながら、登場人物が皆、生きることに拘る。そこには前の戦争で、日本があまりに人の命を軽く扱ったことへの強烈なアンチテーゼがあるように感じられました。
さて、肝心の特撮やVFXには文句のつけようがなく、特に海で主人公らが乗った木造船がゴジラに追いかけるシーンでは、手に汗を握りました。
少し安易だと思ったのは、銀座で逃げ惑う群衆の中で神木が浜辺を見つけ出すシーン！ありえんでしょ！？
また、違和感があったのは、沈みゆくゴジラに対して皆が敬礼🫡したところ。
災厄そのものであったゴジラの、何に対して、何を敬しての敬礼なのか？
