パリパリ海苔

ゴジラ-1.0のパリパリ海苔のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.1
大戦とダイレクトにつながっているごくごく個人的な感情の問題、つまり日本とかアメリカとか関係なくただ「逃げ出した」ことに由来する主人公の自己否定という問題、それを乗り越えるために利用される「ゴジラ」は日本の敗戦の寓意という役目をすでに剥奪されており、敵討ちの対象でしかないが、その上さらに映画が「いい話」に回収されることで完全に無力化されている。この意味でとても勇敢な映画だったと言えるのかもしれない。

残酷ないし残虐なSF設定と家族愛的なヒューマニズムの同居というくらいの雑な類比だがクリストファー・ノーランのテーマとの近さを感じたので、本邦で間も無く公開される『オッペンハイマー』と併せて考えてみたい。
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