よく描かれる子供は綺麗で賢いけど、本来の子供ってこうなんだよね。脆くて危なく、膨大な世界を狭い視野の中に広げている。そして、ささいなことで大人をその狭い世界の中に閉じ込めてしまう力がある。
更に、見えていないところで起きている出来事について憶測だけでことが広がっていく風景は今の情報社会にも共通する部分があるなと。
まるでどこかで起こったノンフィクションを描いているようだった。
光る言葉遊びとメタファー。
やはり私は坂本裕二脚本が好きだ。
何度でも観て、ゆっくりと少しずつ噛み砕きながら味わいたくなる。
そして、この味わいを「考察」の一言でまとめて欲しくないなとも思ってしまうくらい、価値のある作品。
湊が丁寧に丁寧に食パンにバターとジャムを乗せているシーンがとてつもなく印象に残っている。
