misoni

怪物のmisoniのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.8
7/263回目視聴。まだ見たい。そろそろ上映終わってしまうかな…。円盤が出るまで待てないわ。
7/19 初見から1カ月半経ってもこの映画のことずっと考えてるのでスコア4.4→4.8に上げました。
8/11 4回目見た。まさかこんなに見るほどハマるとは…

6/8 今のどん詰まりの日本そのものでずっと息苦しかった。
最近90分弱の尺に慣れてしまっていたが、この長さにも関わらず没入できたのはこの映画の完成度が高いという事だろう。
途中まで音楽が坂本龍一だったことを忘れる位映画を邪魔しない音楽。視聴者をできるだけ刺激せず、寄り添ってくれる。ラスト近くに流れるキラキラした開放感溢れる曲は、余計にこの映画で感じる閉塞感が際立つ。
坂元さんの脚本賞の授賞は納得。回収されない伏線は無くストレスが溜まらない。ドラマでのあの膨大な台詞量のイメージがあり映画でもそうなのかと思ったら逆に削ぎ落とされてて、それゆえに一言一言の切れ味と重量がはんぱない。
こんな事言って申し訳ないのだが、カンヌでのクィア賞の報によってこの映画の核心とまでは言わないが、かなり重要な部分をネタバレされた気がして見る前から気が削がれたし、薄々分かっちゃってるからやっぱりそうか…と映画館で初めて見て驚きたかったと残念に思った。もちろんこの映画はそれがメインでは無いのだろうけど。こういう感想を持ったことも含め自分の中にもいるなぁ…怪物…と気付かされたのでした。
いずれにしても見て良かった。

私はラストシーンを見てふたりは亡くなったんだなと思った。 
ただし5年か10年後かもっと先かは分からないけど、少年ふたりが望むような社会に変化していたら、母親と先生に助けられ午後に早速ふたりで遊びに出掛けたあの嵐の日の話として、ラストシーンが今と全く変わって見えるだろう。
依里の父親の視点パートがあったとしたらこの話はまた全く違って見えるのだろうか。虐待してる鬼畜の側面だけしか見えていないが、父親の考えは本気で子どもを思って考えを変えたいと思っているのかも知れない。
水をかけるとか浴槽に沈めるとか、ニュースで目にした酷いニュースを思い出して辛かった。
こうして現実のニュースを織り交ぜてくる坂元さん。

無意識に自分の発した言葉や行動が人を傷つけてるであろう経験はきっと誰でもしているはず。だけどそうならぬよう他人と関わることを避けて生きる事も出来ない。見るとものすごいジレンマを抱える映画だと思う。
校長先生が轢いたのかも知れないしやはりそうでないかも知れない。
校長先生とすれ違う時依里が落とすチャッカマン。それを見ただけで、そう思いたくはないけどもしかしてこの子が…?と疑ってしまう。
湊の、依里を守る為の嘘によって失業してしまう保利先生。
公開前の予告でホラーミステリーかとミスリードさせられたと思ったが、見たあと時間が経てば経つほどやっぱりなんだかいろんな意味で怖い映画だな…と思わされる。
7/5 1回目見た時から今日までほぼ毎日怪物の事が頭から離れず感想を検索したり考察見たり、ティーチインのレポ読んだり…しかしようやく2回目見に行った。やはりこの作品は最低2回は見た方がいい作品だと思った。分かってからまたいちから見ると初見では見えて無かったもの、見落としてたものの多さに気付かされる。
ファーストカットから見落としているのに気付いて自分にびっくりした。初っ端から依里が登場してたやん、、何見てたんだろうって位そっから見落としてたんですよ。
あと初見の後、そんなにあの怪物の咆哮みたいな管楽器の音、そんなに鳴ってたっけ?って思ったんですけどちゃんと確認出来ました。
あとラストですが、初見時は絶対にこの2人死んでしまってると思い込んでいて、監督のインタビュー読んだらそういう意図ではないようだったんですがどうしてもそうとは思えず。しかし今日よくよく目を皿のようにしてみたら、あの後廃電車から抜け出す2人のカットがあったのですね。それをその通りに受け取れば良かったわけだ…というかその後の駆け出す2人のシーンに持ってかれて、多分そのカットは記憶の彼方に消え去ってた。
二回目見てみると湊はこの時ちゃんとこういう言動、表情してたとか答え合わせができて面白い。
一つ目パートのこのエピソードは3つ目パートのこの出来事の後とかいまだに時系列を掴めてない部分もあるので、これは複数回見れば見るほど理解が深まり楽しめる映画だと思いますね。
上映が終わってしまう前にもう一回位行きたいかも。
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