勢いで書く。
おもしろかったけど、観終わったあとじわじわと怒りが湧いてきた。忙しい大人と暇で忙しい子供。坂元裕二脚本の意地悪なところがドラマだと軽やかさになるけど映画では単に意地悪、なんなら露悪的になっていて、それがいわゆる「考えさせる仕掛け」でしかない。そりゃ世間や社会は最悪だけど、それを今さらこの手法で「どうだ考えろ」と権威ある方々から突きつけられても。
演技は全員とてもかっこいい。瑛太の絶妙な狂い加減。
湊が助手席から飛び降りるところ、本当につらくて苦しい。『カルテット』の「結婚って、、」と手法的には同じだけど、関係性が違いすぎる。せっかく言えたことが聞こえなかったのを流したあと言う(言わせる)ことがあれなのか。いやだから飛び降りたんだけど。
最後、「それでも世界は美しい」的に締めてるけど、子供が関われる数少ない頼れる人に必死で発した言葉を反故にされ、小学五年生に「なんで生まれたの」と大人が口に出して言わせる。なんなん。
「孤独なたったひとりのため」ではなく孤独なたったひとりに気がつかない多くのひとに向けた作品だと思った。それでも多くのひとは考察、伏線、わからんとか言って忘れておわりだよおしまい。
