涙腺ブカブカマダム

怪物の涙腺ブカブカマダムのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
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15歳の時に性的マイノリティとされる10代の自殺率の高さを知り一時的に食事が喉を通らなくなったことがある。自分がこれを10代で観ていたらと思うと少し怖い。この映画に救いの光を見出すことは難しいと思う。安全な場所にいる人が自分の在り方を考え直したりと自戒するきっかけになり得る力強い作品ではあるが、少年側にいる人たちには救いがないし無力感に襲われるのでは。彼らには死によって救われて欲しくない。切なくて美しかったと感じる人との間に大きな隔絶を感じる。しかしこの感情もまた物事を多角的に見ようとする事を放棄している作中人物達と同じなのだろうか。考え続けねばならない。