素晴らしい!の一言。
カンヌ脚本賞も納得。凄い映画を観てしまった。
母親、教師、少年と、登場人物それぞれの視点によって、同じ出来事が全く異なる様相を見せていく。
序盤の、教師達が謝罪するシーンでああこういう話か、と思わせておいて、ラストは全く違う話になっている。
クラスの中でのイジメ、そして自分の立ち位置、振る舞いは日本で学校時代を過ごした人なら多かれ少なかれ苦い経験として思い出すものだと思う。それがまた事態をややこしくしている。
アスガー・ファルファディ監督作品を思わせるミステリー要素あり。
秘密基地に行くところはスタンドバイミーのような瑞々しさもあり。
「怪物」というタイトルは誰が怪物なのか観客に考えさせるのと同時に、二人のかけがえのない一瞬の時間を切り取ったシーンを象徴していて、上手いネーミングだった。