一人の大学生が難事件とともに人の心の闇も解きほぐす田村由美の漫画を原作にしたドラマ「ミステリと言う勿れ」(２２年)の映画化で"広島編"と呼ばれる原作中のエピソードを基に広島を訪れた久能整が代々遺産を巡って死者が出る一族の謎に挑もうとする。映画未満ドラマＳＰ以上。"金田一耕助"ばりの巻き込まれようで、可笑しくてわらえる。またドラマ版の型を踏襲しながら予算ＵＰによる豪華キャストも投入し「犬神家の一族」ばりの狩集一族の遺産相続を巡る一族代々のシリアスな展開に昇華させる。飛躍した映画ならではの内容、というよりは延長線のＳＰドラマ感がありこの映画がシリーズの完結とは到底思えない。ドラマ版と映画版の主題歌をダブル起用するのは、監督分かってる。主人公の久能整の核を揺るがすような最終形態の事件ではなかったが、広島の地方の舞台建て込みで謎深きミステリーの忘却の世界に没入できました。
