ピクサーの直近の2作、特にバズ・ライトイヤーがあまり好きでなかったのと、キャラデザが見たことある感じで新鮮味を感じなかったこともあってあまり期待してはいなかった作品。ただ、公開されてからの評判はすごくよかった。そういえばズートピアも公開当初はそんな感じの評価の変化が世間ではあったように思う。
観てすぐ思ったのは、すごくアイデアに溢れた作品だということ。属性ごとのそれぞれにしかできないアクションは観ていて愉快で、観客を最後まで飽きさせない。
ただしただの子供騙しというわけでもないのが今作。ズートピア同様に大人も楽しめる作品だった。ただ、ズートピアよりも大人向けというか、先進的に感じた。今の時代の子供達には必要な知識や刺激がこの映画からは感じる。攻めた内容だとは思ったけれども、バズ・ライトイヤーにあったようなあざとさは感じない。
子供向けアニメにしては先進的なラブストーリーだったように思う。人種とか貧富とか移民二世とか親子とかのテーマももちろんあるのだが、裏テーマに性についてのものがあった。性について、特に男女についてのジョークがあったのが驚いた。子供向けなのでもちろん直接的でなくぼかした表現だったが、むしろエロく感じた。
エンバーとウェイドのデザインどちらもなんとなくセクシーであったように思う。
音楽もサイコーだった。プレイリストに入れたい曲がたくさんあった。
まとめとして、子供は純粋に楽しめるけれど、大人に向けたシリアスなテーマも含んでいて誰でも楽しめるような作品だということ。ただしズートピアの時と比べて、時代にあった変化を遂げた作品でもある。
多様性についての映画は最近よく観るようになったが、それらの中では最も人々に受け入れられる作品であったと思う。これからのディズニー、ピクサーの活躍に期待する。