口の悪いねずきち

波紋の口の悪いねずきちのレビュー・感想・評価

波紋(2023年製作の映画)
3.8
ヤバみがヤバくてヤバかった。
何がヤバいって、ヤバすぎてもう笑うしかないくらいヤバい。

まず、いろんな偶然が重なったであろう内容。
今まさに!というタイミングでこの映画が公開されるのは良くも悪くも奇跡的。

普通に生きてたらナチュラルに遭遇するレベルのクズがいっぱい。
主人公目線だから周りがクズに見えるけど、側から見りゃ主人公もなかなかのクズ。

物語の柱として宗教が出てくるが、基本的にはなんでも宗教になりうるのではないかと思っている。
私はディ◯ニーをはじめ多趣味でヲタ体質だけど、興味がない人からみたら着ぐるみばかりのショーを観て泣いてる成人が多数集まる光景は宗教だと思う。
映画だって、監督の信者や俳優の信者もいるし、なんなら映画という文化そのものすらも宗教と言えるのではないか。

私は、そのひと自身が幸せでなおかつ他人に迷惑をかけなければ宗教に入信すること自体は賛成派だ。
でも、それが難しいからこそ宗教のイメージは良くならない。
実際、私の知る坊主は高級車を乗り回し、夜は飲み歩き、他人が捨てた煩悩を拾いながら生きている。
坊主バイアス。

私は周囲に冗談半分(本気多め)で、宗教法人買おうよと言っている。
昔に比べ、宗教を新設するのが難しいから。
宗教はボロい。
こんなボロい商売をほかに知らない。
あと、宗教って謎の歌とカレンダー作るの好きだよね?

息子の彼女もなかなかキツいが、そりゃそうだ。耳が不自由なだけで、普通の人間だから。
障がいのある人=心が綺麗、というのは健常者からみたバイアスである。
柄本明がスーパーにいるのをみると「お、下北沢のオオゼキか?」と思うのは私個人のバイアス。

そして驚いたのが終盤にいきなり出てくるはごろもフーズ。
観た人、あれ、はごろもフーズだよね?ね?ね?

しかし、最後のシーンはもう少し天気が悪い日に撮れなかったのだろうか。
あまりの晴天にムリやり雨降らせてるもんだから、ときどき虹出ちゃってます。

人を呪わば穴二つ、という言葉を考えついた人は、呪われる側の人間なんだろうな。