キャストが超豪華。柄本明やムロツヨシは逆に無駄遣いでは？と思ってしまったくらい。
でも、そのキャストに導かれて最後まで見ることができた。
緑命会の平岩紙と江口のりこがいいわ～（笑）
あと、キムラ緑子、キレイにしてるのに歯が黄色いのが「いかにも」な感じですごいな～と。
内容的には・・・
なんだか荻上監督らしくないんじゃない？と思わないでもなかった。
言えるほど荻上作品をたくさん見てるわけではないのだけど。
男って、女って、息子って、中年を超えた夫婦って、こんなもんでしょ？みたいなステレオタイプを感じてしまって・・・
私も似たような世代の夫婦の片割れだけど、共感できる部分がなかった。
依子は、若い時代のモロモロを一通り終えて、本来ならもっと解放されていい場所まで来てるのに、なんであんなに自分でがんじがらめにしているのか。
好きなことしてるじゃん？信じる宗教があってそこの仲間がいて。
庭を思い通りの枯山水に整えて。
更年期症状にプールがいいよと勧められればすぐに行けて。
お金も時間も、加えて仕事もあって、なにが不足なの？
夫には腹が立つけど、ぶつければいいのになぜしないのか不思議で仕方なかった。
息子の恋人についてもしかり。
そしてそれについて木野花に「ストレートに差別するね～」と言わせてるってことは、こと自分の息子となると母にそういう差別感情はあってしかり、ということなのかなと、それも抵抗があった。
そんなことないから。女とは母とはそういうもの、というサンプルなんて作って欲しくない。
全編通して一点だけ心に刺さったセリフがあって、それは夫が息子に言った「オレ、とっとと死ぬことにするわ」
夫は、自分のしたことが妻をどれほど傷つけたか、自分がいなくなることが妻を救うことになるんだなと悟ったんだな、と。
夫婦として、夫の方がよほど妻に対しての情が深い。
その男女差については納得できるのだけど。
それでその通り夫はさっさと逝ってくれて、依子は葬式の後に雨の中でフラメンコ。
勝利の踊り？解放の踊り？
踊るにつれて赤い襦袢が見えてくる。
ようやく女を取り戻したってこと？
いやいや、それではあまりに陳腐でしょう。
うーん、結局なにを見せたい映画だったんだろう？(^_^;)
