菩薩

証人たちの菩薩のレビュー・感想・評価

証人たち(2007年製作の映画)
3.5
特に序盤がおそろしく早い映画でオレでなきゃ見逃しちゃうね案件だった。その速度が緩まるのがやはりエイズ発生以後であり、それを経て人と人との距離感や関係性、愛らしき物の性質も変化していく、その辺は現行のパンデミックにも共通する部分だと思うしヴァルダもそんな事言ってた様な。物語の中心にエイズが添えられていくのは事実だが、患者本人にのみフォーカスが絞られる訳でも無く、あくまでエイズ発生初期を生きた「証人たち」の生き様・死に様と言うのがアクロバティックに描かれていく。アメリカ映画であればいかにゲイコミュニティやらセックスワーカーにゴリゴリ差別が向けられたかみたいな話になりそうだが、そこが愛故に…やらセラヴィ…であるのがなんともフランスっぽいのか、知らんけど。脅威は同時に変革でもある。
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