菩薩さんの映画レビュー・感想・評価

菩薩

菩薩

生き残るには脳が足りない

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.0

己が人生の肯定ほど生きてく上で困難な事は無い。人生は諦めが肝心であり後戻りは出来ぬと半ば諦めつつ、あの時あぁすれば良かったこうすれば良かった、あぁ言えば良かったこう言えば良かった、あぁ言って欲しかった>>続きを読む

全員死刑(2017年製作の映画)

3.3

ヤクザはつらいよであり次男はつらいよな作品であった。人前で惜しげも無くチンポを晒すことに対してやぶさかではない人間と言うのは、非常に人間的に魅力に溢れているか、もしくは酷く短絡的かどちらかだと思うが、>>続きを読む

Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

4.5

坂本龍一が言う最も純粋な持続音が太古の氷河が溶け出し流れ続ける音なのだとすれば、その対極に当たる最も不純な持続音はチリチリカリカリと無念の歯ぎしりを上げ続けるガイガーカウンターの反応音ではないか。土取>>続きを読む

男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎(1984年製作の映画)

3.8

シリーズ33作目、マドンナ:中原理恵。

今作のテーマはズバリ「ヤクザと堅気」というところに落ち着くであろう。マドンナ自らが「フーテンの風子」と名乗るだけあって、寅さんとの関係性はリリーとのそれに近し
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愛の殉教者たち(1967年製作の映画)

3.5

すんでのところでSEXにありつけない童貞野郎の苦悩と、失恋から輝き出し余裕でSEXにありつく女の逞しさと、SEXにありつけるはずだったのに結局うやむやになっちゃった男の悲しみと、なんだろう、そんな風に>>続きを読む

祭りと招待客/パーティーと招待客(1966年製作の映画)

4.1

露骨なまでなおっぱいと太ももへの寄りに「おおっ!」となってたら、あれよあれよと全く意味のわからない迷路に迷い込んで行き「んんっ!?」となったけど、ブニュエル的(って言いたくなる)な不条理さは好みでしか>>続きを読む

受難のジョーク(1968年製作の映画)

3.7

口は災いの元、の一言に尽きるお話でありながら、復讐劇としてはあまりにも遠回り、かつ本気か冗談なのか分からない冷笑的な態度が、チェコ・ヌーヴェルヴァーグらしいとの印象を抱く。あんなハゲ散らかしておそらく>>続きを読む

海の沈黙(1947年製作の映画)

4.6

人が人を人として扱い、真正面から向き合い、耳を傾け、言葉を交わす。そんな当たり前のことがあまりにも尊いものへと姿を変えてしまった現代において、この作品の持つ魅力が、1人でも多くの人の心に届き、照らし、>>続きを読む

ある道化師の24時間(1946年製作の映画)

3.5

サイレントコメディにナレーションを乗せて、笑わせる、笑われる、そんな道化師の1日に密着24時。日常から笑いが生まれる、人間観察初段の俺としては見習うべき点が多々ある、人を笑わせ続けると言うのは、なかな>>続きを読む

仁義(1970年製作の映画)

4.3

ただでさえ普段から過呼吸気味の俺をメルヴィルはおそらく殺しにかかって来ている、のでは無いかと思うほど緊張感に包まれたあの強盗シーンはなんなのだ、手に汗握るどころの騒ぎでは無いし、あんなに物音1つ立てて>>続きを読む

いぬ(1963年製作の映画)

4.5

冒頭でガッチリと掴まれ、途中余裕でミスリードに騙され、ベルモンドのピースサインにときめき、そしてラストの切り方…叫びたい。すっーと謎めいていた展開が解された後、ふりしきる雨の中を颯爽と走り抜ける車の爽>>続きを読む

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

1.0

せいいちがせいいちでは無く、ハギオがハギオでは無く、ツチダもツチダではない為、この南瓜とマヨネーズはきっと南瓜とマヨネーズではないのだと思う、薩摩芋とケチャップとかでは無いだろうか。せいいちはあんな朝>>続きを読む

男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(1983年製作の映画)

3.7

シリーズ32作目、マドンナ:竹下景子

博の父・颷一郎役を演じていた志村喬が前年に死去した事を受け、その墓前に手を合わせるところから始める今作、さて帰ろうと寺の石段を降りていると、何やら下からフラフラ
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男はつらいよ 旅と女と寅次郎(1983年製作の映画)

3.9

シリーズ31作目、マドンナ:都はるみ。

満男の運動会に仕事の都合で行けなくなった博の代わりに、俺が出てやると意気揚々とパン食い競争の練習なんぞを始める寅さんであったが、当然来られる身からすると…言い
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おじいちゃん、死んじゃったって。(2017年製作の映画)

4.2

うざい、キモい、だるい、だらしない、しつこい、めんどくさい、もう嫌だ…。でも優しい、暖かい、懐かしい、そんな家族の形を葬式から見つめ直していく作品、これはなかなかいい。おじいちゃんが死んだ時にSEXを>>続きを読む

グッド・タイム(2017年製作の映画)

4.0

兄貴の異常な愛情 または彼は如何にして頭髪を金色に染めて深夜の遊園地に侵入することになったか、だった。OPNの音楽目当てで行ったけど、それ以上のものがあった。実際いるんだよなあぁ言う奴、表面上はいい奴>>続きを読む

ファウスト(2011年製作の映画)

4.1

開始早々腐乱死体の解剖、ボタボタと零れ落ちる内臓、この時点で好き嫌いが分かれるのだろうが、もちろん大好物。原作を読んでる人からすれば「おいおい…」なお話なんだろうけど、原作もあらすじ程度にしか知らない>>続きを読む

モラン神父(1961年製作の映画)

4.2

これはひょっとしてメルヴィルなりの『堕落論』なのではないか?なんて勝手な推測のまま観ていたら、結局はエマニュエル・リヴァのそっち系のお話でなんじゃい!ってなったけど、この時のエマニュエル・リヴァに、い>>続きを読む

わ・れ・め(2006年製作の映画)

3.8

マメ山田がフラフラと一升瓶を持って現れ、それがぶつかったかなんかして息子が頭から血を流して倒れるシーンの不可解さが恐ろしい。姿見に己の姿を映しながらの性交、プロレス、ボクシング、AV、殺し屋、ビンタ、>>続きを読む

ポンチョに夜明けの風はらませて(2017年製作の映画)

1.5

青臭いや泥臭いを一緒くたにして「青春」とカテゴライズしたい気持ちは分からなくも無いが、そんなものは時に大きく履き違えるものであり、その良い(悪い)見本がこの映画かと思われる。主演3人+染谷将太がどうあ>>続きを読む

THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ(2017年製作の映画)

4.3

岩井俊二型園子温にアラーキーとカラックスを添えて、みたいな作品だが、何より男どもの呻き声と、女どもの悲鳴にも似た喘ぎ声が聞こえてくる…。男は桜井ユキのもはや芸術としか言いようの無い乳首の勃たせ方に己の>>続きを読む

シュザンヌの生き方(1963年製作の映画)

3.7

ブスとヤリチン、そんな2人を見下す普通の男。特にブスの方が『夏物語』のレナ並みにブスの癖に自意識過剰な上金までたかられて貴様には自尊心のかけらも無いのかと同じように軽蔑の眼差しを向けていたら…なんかご>>続きを読む

モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)

4.5

分かる、すごくよく分かる。毎日すれ違ってる女の人とか、電車の中で絶対出くわす人だとか、行きつけのコンビニの店員だとか、なんかのタイミングでどうにかなれないだろうかなんて、ある日偶然ハンケチでも落とさな>>続きを読む

鬼灯さん家のアネキ(2014年製作の映画)

3.0

谷桃子が可愛くないのはしょうがないとして、エロいのはまぁいいのだが、ちょっとこのエロさは節操がないというか、ストーリー的にもそうなっているのだからもう少しこう愛しさと切なさと心強さと、篠原涼子的な神秘>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

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タルコフスキーの総決算セールって思えば160分は短いのかもしれないし、当然夏目漱石の「こころ」を思い出すし、露骨に「プロフェッショナルとは?」と「ファミリーヒストリー」って声が聴こえてきてNHKのKな>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

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我思うだけで我がいられたらいいのだけど、結局はそんな我を思ってくれる他者がいてこそはじめて己と言うものが存在するわけであって、人間性も認められず、喜怒哀楽の感情も希薄になり、ただただ無駄に浪費されるだ>>続きを読む

男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(1982年製作の映画)

3.6

シリーズ30作目、マドンナ:田中裕子、ゲスト:沢田研二。

恋愛名トレーナー車寅次郎氏再びの活躍、角は一流デパート大丸さんで紅白粉つけたお姉ちゃん田中裕子と、チンパンジーに首ったけの2枚目だけど変わり
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地獄でなぜ悪い(2013年製作の映画)

4.2

いや悪かないんだけど、全力歯ぎしりレッツゴーは全力で嫌いだし(『ラブ&ピース』のぴかど~んよりマシ)、基本ストーリーはそっちのけでひたすら二階堂ふみの谷間を見ているから、むしろ谷間でなぜ悪いといった感>>続きを読む

ヴォイツェック(1979年製作の映画)

3.5

『シュトロツェクの不思議な旅』の雛形?みたいな感じが若干した。ただでさえ狂ってるクラウス・キンスキーが通常の三倍のスピードで狂って行く、のっけから超高速髭剃りでそんなんしたらカミソリに大敗して血だらけ>>続きを読む

ソニータ(2015年製作の映画)

3.5

もちろんドキュメンタリーとしてそれはどうなのだ?と思う箇所があるわけだが、監督が一人の映画作家よりも一人の人間として、そして彼女の友人としてその選択をした結果、彼女が希望をその手にしたと言う事実を誰が>>続きを読む

ヘリウッド(1982年製作の映画)

5.0

巨人軍とエンケンは永久に不滅です、今日はカレーライスを食べて帰ります。この世で唯一武道館とタイマンを張れた男の在りし日の勇姿を是非、最狂のクソ映画です。

問いかける焦土(1992年製作の映画)

4.0

立ち上る黒煙、噴出を続ける業火、絶対的火気厳禁の現場で悠々タバコをふかす作業員、ケルヒャーの何十倍もの高圧で噴射される水、稼働を続けるショベルカー、言葉を失った人間。これはとある惑星の話、天国は無く、>>続きを読む

シュトロツェクの不思議な旅(1977年製作の映画)

4.3

不思議な旅がすぎる、と言うか哀れな結末すぎる。終盤、特に競売以降の一連の流れが最高すぎて爆笑を禁じ得ずハゲる、面白い、もはやハゲしろいの称号を差し上げたい。なんせブルーノ・Sのハゲ散らし方が完璧だし、>>続きを読む

鉱 ARAGANE(2015年製作の映画)

5.0

最高、至高、至福の60分、究極のノイズ/インダストリアル/エクスペリメンタル/サウンドアート作品。これに関してはもう完全な偏愛により5をつけざるを得ないのでつけるが、はっきりいって1か5かって作品だと>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(1982年製作の映画)

4.3

シリーズ29作目、マドンナ:いしだあゆみ。

ひょんな事から懇意になったジジィ(手ぬぐい裂いて鼻緒結んでやる所作が最高にかっこいい)が実は超大物だったパターンは宇野長吉でやっているし、未亡人に惚れ抜い
>>続きを読む

鉄路の男(1957年製作の映画)

4.4

無骨で反骨、頑固で強情、一言で言えば「自分、不器用ですから」の高倉健タイプで時代に取り残された一人の誇り高き機関士、いや鉄道員(と書いてぽっぽやと読んでほしい)、どんな世界であれ時代の変わり目にはいつ>>続きを読む

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