菩薩さんの映画レビュー・感想・評価

菩薩

菩薩

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.4

極論も極論の為「警察行けよ」で済ます訳にもいかないしたぶん「信仰捨てろよ」って言うのも禁句だろうから言葉を選ばざるを得ないが、寓話として、むしろ教訓としてこの話を受け入れなければいけない責任が自分達に>>続きを読む

マリとユリ(1977年製作の映画)

3.5

予告で幾度もあのキャシィ塚本み溢れるオムレツフライパンぶん投げシーンを観せられたおかげで当該シーンが来た瞬間に爆笑しそうになってしまった。マールタの主婦解放宣言であり独身のうちが華なのよ結婚したらそれ>>続きを読む

画家と泥棒(2020年製作の映画)

4.0

いや、映画やん…。いや、映画なんだけど、映画より映画やん…ってなった。確かに彼は彼女の絵を盗んだ泥棒であるが、逆に今度は彼女が彼の「闇」を盗み見る事でそれが芸術へと昇華されていく。恐ろしく奇妙としか言>>続きを読む

リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.5

てっきり何かしらの前提知識が必要とされる作品だと思い違いをしていたせいで完全に乗り遅れた感甚しいが、まさに聞きしに勝ると言うやつでびっくりするくらい良くて目ん玉が取れかかっている。ただこれはもうそっと>>続きを読む

窓のしずくと動く赤ん坊(1959年製作の映画)

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おぉちゃんとガチ出産モノ、ブラッゲージ夫妻にとっての初めての子供なのかな?水中出産。子供が出て来てくるところで終わりとていいだろうにちゃんと胎盤がボロンと落ちて来るとこまで撮ってる。やっぱ哺乳類の出産>>続きを読む

コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って 4Kレストア版(1993年製作の映画)

4.2

ロープウェイがチート過ぎて起動する度にワクワクが止まらんかったが同時に高所恐怖症なものでタマヒュンも止まらずなんとか無事。通常の文法で噛み砕くわけにもいかない作品だろうから感覚的に訴えかけてくるものに>>続きを読む

Walking and Talking(原題)(1996年製作の映画)

3.7

コーラを一気飲みしてゲップをせずに山手線一周を…な映画ではないととりあえず私は書かなければいけないが、ものすごく軽やかで風通しのいい話で良かった。観た事ないのであれだが、セックス・アンド・ザ・シティを>>続きを読む

トーチソング・トリロジー(1988年製作の映画)

4.5

ゲイとして生まれゲイとして育ちゲイとして生きていくトランスヴェスタイト(から劇作家へ)の苦悩、葛藤、幸福、その他あらゆる感情がなんら嘘偽りなく詰め込まれている。あくまで個人の生き様であろうからこれを一>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

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うーーーーーーーーーーーーーーーん…。ってのが正直なところ。めっちゃ脚本の映画だってのも分かるしそれが受賞に繋がったのも分かる、クィア・パルム受賞も頷けるし制作側がそれに特化した作品でないとの姿勢を取>>続きを読む

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

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暴力の怨嗟は続き薬物が蔓延る街で培われていく生きていく為の技術、それは殴られたら殴り返せでは無くひたすら思索を続け大人に頼り常に解決策を見つけよと言う事。ただ逆の頬を差し出すだけでは無く自分の頭で考え>>続きを読む

雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)

4.0

アルトマン特集決定の報を聞いた時にアケルマンがそこそこ人入ったからついでじゃね?となんの根拠も自信も無い冗談を飛ばしてみたものだが、いやマジで、ちょっとあり得ると言うか、これめっちゃジャンヌ・ディエル>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

最近のA24(北米配給)はどうも肌に合わんしバリー・ジェンキンス(P)なんて現代の映画監督で一番感覚が合わんのでスルー案件だったが、クリードさん(3)とアフターさんどちらを観ようか散々悩んだ挙句こっち>>続きを読む

ナイン・マンス(1976年製作の映画)

4.2

まさにまもなく家を手に入れようとする男は運命なぞと小賢しい文句を用いて女を獲得する事で彼女を嫁に仕立てようするが、女はことごとく彼の中の嫁規範から逸脱した行動を取り続ける。そもそも処女じゃないし実は子>>続きを読む

ふたりの女、ひとつの宿命(1980年製作の映画)

3.5

全てを手に入れ全てを失い「母」になる女の苛烈な物語。自らでは母にはなれず他人の身体を経由してその地位に辿り着く、混ざり合うアイデンティティは互いを侵食し合い最後には時代が彼女の味方となる。何もかもが自>>続きを読む

劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明(2020年製作の映画)

4.0

ボンちゃんが噂通りのアルティメットクソ腐れ下衆外道野郎で良かった、無意識ではなく意図的に消費していく子供達の名前をちゃんと1人1人覚えている、愛だね愛、むしろこっちのスピンオフが観たい。観ながらなんと>>続きを読む

アダプション/ある母と娘の記録(1975年製作の映画)

3.0

43歳で出産の限界も迫りながら不倫相手との子を授かる事に執着する女性が橋本愛顔のトー横キッズみたいな女の子と親密になる事で産むよりも育てるにシフトしそして母親になるお話。たぶんおかんが隣の部屋にいるの>>続きを読む

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

1.1

つまらんし迷惑系YouTuber(まだいんのか知らんが)と大差ないのでは。結局は擬似ワンカットのフォーマットを成立させる為にその枠の中にどんだけ詰め込めるかの作品になってると思うしそれに引っ張られるあ>>続きを読む

波紋(2023年製作の映画)

1.0

クソつまらん上にクソダサくてちゃんと長い、即ち最悪の部類。ずっと無理あるストーリーの上で異常にデフォルメされたキャラクター達が不自然な台詞を喋らされている、過去の荻上作品とは真逆過ぎてここにリアリティ>>続きを読む

マンタレイ(2018年製作の映画)

3.0

確かに森であったり電飾の使い方が猛烈に瀬田くんっぽい。難民の男が何やらやばい仕事をしている男に拾われ介抱され回復していく過程はかなりホモセクシャルな雰囲気すら漂う。男はやがて行方不明になり(つか消され>>続きを読む

シエラネバダ(2016年製作の映画)

4.0

Twitterの具現化の様な内容で劇中の台詞を借りれば「うんざり」としか言い様が無いが、町田康ですら「とりあえずメシ食え」と言い出すであろう3時間。とにかくトラブルに次ぐトラブルで皆で座って食卓を囲ん>>続きを読む

フィッシング・ウィズ・ジョン/FISHING WITH JOHN Episode 6 【デニス・ホッパー編2】(1991年製作の映画)

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デニス・ホッパーの絡み方がまぁまぁうざい。そもそも伝説の巨大イカを釣れって何よ。フェイクジャズならぬフェイク釣り動画。

フィッシング・ウィズ・ジョン/FISHING WITH JOHN Episode 5 【デニス・ホッパー編1】(1991年製作の映画)

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前のEPで死んだ筈のジョン・ルーリーが宇宙戦艦ヤマトで言うところの真田さんばりになんの疑問も無く生き返って来て爆笑する。アケルマンみたいに砂糖しか食わないデニス・ホッパー。

フィッシング・ウィズ・ジョン/FISHING WITH JOHN Episode 4 【ウィレム・デフォー編】(1991年製作の映画)

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なんで突然そんなストイックになるのか知らんけど氷上に掘建小屋建てて謎のサバイバルが始まり最終的に死ぬ。腹減り過ぎて険悪ムードになっていくのに笑っちゃう。

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.0

耳障りよく快適な空間と言うのは物理的にノイズを遮断しているか心理的にノイズを遮断しているかと言うだけの話であり、その外部では常に鳴り響くノイズが存在しておりそれが彼女(彼と呼ぶべきかも)の内部にまで侵>>続きを読む

69歳(2020年製作の映画)

3.3

ダメな映画ではないと思うが何かが足りない…そもそもカタルシスを求める様な内容でもないが決定的に何かが足りないし、語るべきテーマを差し置いてちょこちょこ家父長制批判みたいなところに寄り道していく意図がよ>>続きを読む

乳房よ永遠なれ(1955年製作の映画)

4.5

不幸せな結婚生活に終止符を打つことで妻であることから解放され乳房を喪失することで母であることからも解放された彼女に残ったのは娘であり女であること。愛ともつかぬ関係性を築く相手との今生の別れであると知り>>続きを読む

ゴダールのマリア(1984年製作の映画)

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愛がなくとも子は産まれ親が無くとも子は育つと言う見方をすれば直接的に関係の無さそうな2本を靴紐を結ぶかの様に強引に接続出来やしまいかと思ったが、同列にスマホ光らせてるクソおっさんがいるから2本目始まる>>続きを読む

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

2.5

アンソニー・ホプキンスが「完璧な歯」を自慢するシーンがあるのでそのうち誰か頸動脈噛みちぎられるんだろうと期待していたがそんな筈も無く彼は呆気なく沈黙し…むしろ監督自身が噛みつけなかった幼少期の悔恨を淡>>続きを読む

無気力症シンドローム(1989年製作の映画)

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まぁ案の定さっぱり分からず途中途中無起力症シンドロームになりかけたが実際ナルコレプシーのおっさんが出て来たりして。前半の『メルド』の元ネタみたいな限界メンタルクソババアの暴走劇がまさかの劇中劇で、なん>>続きを読む

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

3.6

『美しいひと』の後日譚の様であり『すべてうまくいきますように』の前日譚みたいな、徹頭徹尾コッテコテのフランス映画を観たなとの印象。終わったはずの恋愛が息を吹き返し蘇る情欲にひたすら突き動かされるレア・>>続きを読む

アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学(1988年製作の映画)

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スティングがEnglishman in New Yorkで歌った事をユダヤ人に置き変えて映画でやってるアケルマン、みたいな事ですか…?正直よく分からなかったというか、前半のシリアス具合と後半のコント仕>>続きを読む

ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)

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台所で暴れ回り挙句爆破し一つ屋根の下で我が子の為に心身をすり減らし崩壊していく人間を捉えたアケルマンにとってHOMEと言うのが果たしてポジティブな物なのかは分からないし、どちらかと言えばネガティブな物>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.5

激ヤバショットしかねぇってのとロバくっそかわえぇってのしかないがその二要素で充分だししかもこの尺でまとめてくるスコリモには信頼しかない。エブエブよりよっぽどマルチバースしてんなと言うか、どう考えても繋>>続きを読む

月は上りぬ(1955年製作の映画)

4.0

確かにほぼ小津でありながら超小津な場面とまるで小津でない場面とが入れ替わり立ち替わりする為に若干こそばゆい。人の事は容易く自分の事は難しいおそらくあるある指数がべらぼうに高いであろう可愛げのある人間関>>続きを読む

タバコは咳の原因になる(2022年製作の映画)

3.8

河崎実と大差無いやんけと思ったが悲しいかなちょっと面白かった…。つか戦隊モノと言いながららしいのは序盤だけですぐ合宿に入っちゃうし、合宿と言っても怖い話してるだけだし、その怖い話が無駄にグロいしアホだ>>続きを読む

鳥類学者(2016年製作の映画)

4.2

全く意味が分からないが何故だかめっちゃ面白い。キリスト教的な素養があればもっと楽しめたのかもしれないが、これは完全に考えるより感じろ系の作品だろう。鳥類学者のおっさんがただただ悲惨な目に遭っていく映画>>続きを読む

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