菩薩さんの映画レビュー・感想・評価

菩薩

菩薩

BOY A(2007年製作の映画)

3.5

なんとも言えな過ぎるやろ。んで別にこれを観んでも日本には酒鬼薔薇聖斗がおるやろって全員なるやろ。罪を憎んで人を憎まずとは言ったものの犯した罪は消えるわけでもないしましてそれで命を奪われたとしたらそれが>>続きを読む

犬猫(2001年製作の映画)

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うーん、流石に期待し過ぎたと言うか、風間志織の『メロデ』がいかに素晴らしいかを再認識するだけで終わってしまった。このふんわり卵とじ感が歓迎されていたのが2000年代前半なのだろうし、そんな時代にミニシ>>続きを読む

化け猫あんずちゃん(2024年製作の映画)

4.2

半分程度は原作通りとは言えめっちゃおもろいし一部であんずちゃんは『おじさん天国』だって言われている所以がようやく分かった、めっちゃ『おじさん天国』だったし🦑した怪作だ。まぁいましろたかしといまおかしん>>続きを読む

無言の丘(1992年製作の映画)

3.6

金と金玉を巡る2組の兄弟、と言っても片方は擬似兄妹であるが、金と金玉にはいつだって搾取の話が付き纏ってくるし、なんせ日本統治下の厳しい時代の物語。鉱山労働に精を出してもその大半は搾取され、労働者達が違>>続きを読む

村と爆弾(1987年製作の映画)

3.7

トラックの荷台から引っこ抜いたサトウキビを一生懸命背負いながら齧り付くちびっ子達のショットで感じた手応えは本物であった、最後までアホな状況に振り回される大人達に対して子供達はとにかくお腹いっぱいご飯が>>続きを読む

ゴングなき戦い(1972年製作の映画)

4.4

あまりにも人生過ぎてこんなん観せられてしまったら本当にどうすればいいんだ…とちゃんとフルボッコにされた。ジェフ・ブリッジスが観ていて恥ずかしくなるくらい若々しい上に橋本環奈みたいな扱いをされていて笑え>>続きを読む

光あれ(1946年製作の映画)

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どうもプロパガンダ臭がする様な気がしてしまったがむしろ逆効果として封印されていた模様、そりゃそやろ。と言うか常々思うが、戦争に行って帰ってきてPTSDを発症しない奴なんかおんのけ?いたらむしろそれこそ>>続きを読む

禁じられた情事の森(1967年製作の映画)

3.5

NTRも熟女趣味もないのでよく分からんのだがそれでもエリザベス・テイラーのエリザベスが大層テイラーであった事は認めざるを得ない。それぞれの倒錯が稀有な形で重なり奇妙にバランスを取り合っている中で1人が>>続きを読む

その手に触れるまで(2019年製作の映画)

4.0

シコって寝てろよクソガキがと一蹴してしまいたいところだが、そうもいかない複雑な背景が見えてくる。根底にはおそらく移民を取り巻く環境以上に機能不全の家族があり、その中で男らしくあろうとする少年のあまりに>>続きを読む

メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023年製作の映画)

4.0

鑑賞後にどっと疲れが来たと言うか全生気吸われた様な気がしてぐったりしてしまった…。映画製作心得ムービーとして石井裕也とか吉田恵輔辺りに本当に観ておいて欲しい、他人の人生を演じる事、他人の人生を物語にし>>続きを読む

墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

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よもや幻想に生きる男達と現実を生きる女達とそう単純な話でも無いと思うが…。きっと話そのものを理解して云々の映画では無いのだろうの思いつつ、どうにもしっくり来ぬまま首を傾げていたらあっという間に終わって>>続きを読む

サンドラの週末(2014年製作の映画)

3.5

事前に人となり等の説明描写が無くともあからさまに浮かび上がって来る人物像。自分と他人とを天秤にかけた時に他人ばかりに重きを置いて来てしまったが故の休職なのだろうしそれ故の潔い最後の決断なのだろう。なぜ>>続きを読む

息子のまなざし(2002年製作の映画)

4.3

書いては消し書いては消しを繰り返してしまったが、やはり「分からない」こそが正解のなのであって、どだい言語化不可能な感情が全編を支配している。赦しとか罪と罰とかそんな簡単な言葉で説明できるわけでもない、>>続きを読む

映画館の恋(2005年製作の映画)

3.4

なんかめっちゃトー横キッズみたいなことやってるぅ…とげんなりしつつどこが映画館の恋やねんと思っていたらちゃんと映画館の恋が始まるわけだけどそっから先も絶妙に気持ち悪くてホン・サンスだった。結局現実と虚>>続きを読む

草の葉(2018年製作の映画)

3.5

創作と観察の間、私的と公的が混ざり合う空間。大声で喚き散らかしても酒を持ち込んでもいいのにタバコは吸えない店内、喫煙者が外に出ることにより更に撹拌される関係性。カノンが流れて来るあたりでこの反復と差異>>続きを読む

リスト(2011年製作の映画)

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チョン・ユミが可愛過ぎてお話にならない。これ観てチョン・ユミとバドミントンしたくならない人類は1人もいない。落ちが泣くようぐいすであろうとどうでもいい、大切なのはチョン・ユミがとても可愛いと言う事だけ>>続きを読む

ロゼッタ(1999年製作の映画)

4.5

壮絶。『イゴールの約束』と対称的な作品になるのだろうが、イゴールの父・息子関係よりも遥かに深いところにある母・娘関係の業の強さを感じる。序盤にやたらと水を飲むシーンがあり何故と思いきやあれは水をがぶ飲>>続きを読む

リッチランド(2023年製作の映画)

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なかなかに核心の掴みづらい作品ではあったがそれこそがこの作品の核心でもある様なと自己弁護、あまりにも曖昧模糊とした変わりゆく街のアイデンティティそのものが浮かび上がって来る。住人達も既にいつかこの街の>>続きを読む

クレオの夏休み(2023年製作の映画)

3.6

角野卓造の幼生みたいなクレオちゃんが激かわなのできゃははきゃははしてるだけでもうOKみたいなとこあるが、割りかしゆるふわヴァカンスムービーの枠には収まらずゴリゴリの発達心理学ムービーで良かった。主従の>>続きを読む

イゴールの約束(1996年製作の映画)

4.0

イゴールと聞くとボブチャンチンが出て来てしまう世代であるが、まさに自身のプライドを守る戦いであるし、最初期作からしっかりと撃ち抜いてくるデンヌにやられる。父からの呪いを一身に受け成長した15歳の人生が>>続きを読む

シェイディー・グローヴ(1999年製作の映画)

3.4

森のコーヒーでお馴染みのカフェ・パウリスタは渋谷じゃなくて銀座だと思うのだがこの時代は渋谷にも店舗があったのか?と関係ないことばかり気になってしまった。特別面白くはないがなんとも90年代な雰囲気で、お>>続きを読む

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.5

分かる…分かるぞ…私とて出来る事ならば全てを忘れてしまったフリをして、自分の絶望も孤独も一旦どこかに置き去りにして、新しい自分を生きてみたい…それこそ都知事選の事など全てを忘れてしまいたい。自分が注射>>続きを読む

サポート・ザ・ガールズ(2018年製作の映画)

2.5

多少なりとも性を売り物にするからこそ引くべき線をきちんと引き自らの尊厳と身体を護る、他人の事情を汲み取り容易に排除するのではなく相互理解を深める努力をする。そのあたりに長けていたからこその厚き人望なの>>続きを読む

無用物(2022年製作の映画)

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もはやフェチ動画過ぎて私こう言うのは永久に観ていられますね…。わざわざこんなご丁寧に観せて頂かなくても渋谷なんてでっかいゴミ箱みたいなもんだから普通に歩いてりゃゴミみたいな人間が捨てたゴミがそこかしこ>>続きを読む

我来たり、我見たり、我勝利せり(仮題)(2024年製作の映画)

1.0

サンダンス以外は余裕で全世界沈黙しそうなくらいつまんない。マジでブルジョワ批判にもなんにもなっていないし、画的にもつまんないし、90分無いのに体感2年だった。これに配給付けるくらいなら他のを観せてくれ>>続きを読む

ホテル・モンタレー/モントレー・ホテル(1972年製作の映画)

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創造は常に模倣の延長にあると言う事で初長編がこれは流石にストイック過ぎる。やはりエレベーター内からのショットが面白くて、エレベーター自体の上下運動と扉の横運動と扉が開いたらそこにカメラが立っている事に>>続きを読む

向こう側から(2002年製作の映画)

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そもそもがおめぇらの土地でもなんでもねぇだろうがとでも言いたげなアケルマンの突き放した様な態度が印象的、とは言えどちらに与するでもなく淡々と引かれた国境線の残酷さを捉え続ける。そのまま引き金を引いたら>>続きを読む

WALK UP(2022年製作の映画)

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反復と差異、そして倦怠。ズームとキム・ミニを抜いたところでホン・サンスここにありであるし、途中ホリエモンと同じ熱意で「野菜は美味しいから食べるの!」が始まってどうなることかと思った。ラビリンス化するア>>続きを読む

ふたごのユーとミー 忘れられない夏(2023年製作の映画)

3.6

ゆら帝の名盤みたいなタイトルだなと思っていたら1人の男の子を巡ってゆらゆら揺れ動く一卵性双生児の話だった、と書きたいが為に観に行ったところがあるが結構良かったしたぶんこれ双子版の相米『お引越し』だと思>>続きを読む

まだ明日がある(2023年製作の映画)

4.4

イタリア映画祭オンライン。素晴らしいと思う。極端にデフォルメされているとはいえ何一つ嘘は付いていないし、コメディ調とは言え何一つとして笑えない。フェミニズムが単に女をわがままを最大化する為のものではな>>続きを読む

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)

4.5

私とてかつては軽音学部に身を寄せ文化祭の本番三日前に突如として自分がギターを持っている姿にも歌声にもなんら自信を持てなくなり出場を辞退すると口走り周囲をざわつかせた経験があるのでこの映画を前にすると結>>続きを読む

いのちの食べかた(2005年製作の映画)

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シンプルにお仕事ムービーとして、お仕事お疲れ様です以外にこれと言って思うことも無い。食肉系一本で行きたかったのかもしれんが、そうすると否が応でも思想みたいのが滲み出ちゃうから敢えてそうしなかったのか、>>続きを読む

アバンチュールはパリで(2007年製作の映画)

3.7

逃げる様にパリに旅立ち逃げる様にパリから舞い戻る絶倫男。そもそも留学生と大麻を吸ったから、くらいでビビって逃げる意味もよく分からないが、ホン・サンス作品お馴染みのクズ男に拍車をかけた様なクズ男で金玉腐>>続きを読む

浜辺の女(2006年製作の映画)

3.6

これ見よがしのズームの連発がベランダ越しの脱出劇にて見事に結実する。ビタっとはまった泥沼から抜け出るような解放感があるかと言えばそんなもんは全くない、形を変えて継続される三角関係にも相変わらず一切の情>>続きを読む

女は男の未来だ(2004年製作の映画)

3.5

と言いつつ過去の女にばかり縋ろうとしている。男が元カノに会いたい理由の9割はSEXであるから嘘偽りは無い、フェラチオが始まる瞬間にそそくさと部屋を飛びだすイッヌの演技が冴えるし、その前に知らねぇよとば>>続きを読む

大公の財政(1924年製作の映画)

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話がよう分からん!誰かあらすじ書いてくれ!室内ドッグレースなによ可愛いじゃない。会ったこともない相手にベタ惚れするって、マッチングアプリじゃないんだから。陸海空を股にかけた小国の運命や如何に。謎の教授>>続きを読む