菩薩さんの映画レビュー・感想・評価

菩薩

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テンプル森のギャングたち(2023年製作の映画)

4.0

ラジ・リのそれとも違う団地クライム映画で終始低体温かつ落ち着き払ったまま事態が進行していく。このご時世に完全犯罪が成功するとマジで思ってんなら片腹痛しだが、喧嘩売っちゃいけない相手に喧嘩売った報いを見>>続きを読む

ウニの陰謀(1992年製作の映画)

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ウニってそう言うことね、寝たけど。たぶん爆速ストローブ=ユイレみたいなパンがあった、寝たけど。

ビリー・ザ・キッドの冒険(1971年製作の映画)

3.9

ずっとこんな所でカメラ回したらただそれだけで楽しいだろうにみたいなとこで撮影してる。ファミコン版のドラクエ2くらいのデータ容量で進むRPGの実写化みたいな、話自体は二転三転しても徹底的にシュールかつア>>続きを読む

迷宮の女(1951年製作の映画)

4.0

旦那は寛容どころか社交界の華として利用価値があるからと嫁さんを手放さないだけじゃないか一番タチ悪い…。終始この後絶対良くないことが起きますの雰囲気を漂わせながら上昇していく物語は尺中盤ら辺で案の定奈落>>続きを読む

国宝(2025年製作の映画)

3.6

随分と序盤に脳をGEISHA GIRLSに支配されてしまった為Kick & Loudのイントロが鳴り止まず困ったがエンディング曲の作詞が坂本美雨氏である事に気付きそうかこれは血の話だったのか…と尚の事>>続きを読む

ボイジャー 4Kレストア(1991年製作の映画)

3.5

結局何カ国を股にかけたお股の話だったのか分からんが随分と景気のいい話で。これだから「娘ほど歳の離れた」女性にちょっかい出すのはおやめなさいと言っているのに結局下半身の節操の無い超現実主義おっさんが運命>>続きを読む

ジムの物語(2024年製作の映画)

5.0

人生ベストでいいかも…。100分釘付けで久しぶりにぐいーんとスクリーンに惹きつけられる感覚を味わえて幸せだったしちょっと体調良くなった。そもそも北の国からで正吉推しの私が嫌いな訳ない話なのだが、たぶん>>続きを読む

ブリジットとブリジット(1966年製作の映画)

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一個の魂を二人で分け合った様な二人のブリジットがフォンテーヌとジョーンズに分離していく様をまざまざと…って訳では無いが、都会に出て暮らし並び多くの人と文化に触れ…を繰り返しているうちに背の丈以上に明確>>続きを読む

黒い大地(1964年製作の映画)

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糧なき土地より糧なき土地やんと思いつつ日本にだってポツンと一軒家と言う素晴らしいカルチャーがある事を思い出したが補助金目当てでなんちゃらみたいのが結構うげぇ…となる、別にいいんだけど。最終的に贅沢は敵>>続きを読む

コカコーラ・キッド(1985年製作の映画)

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トラブルの無いところに積極的にトラブルを持ち込み意気揚々と介入していく帝国主義の象徴としてのコカコーラとミッキー、とやりたい事は面白そうなのにいかんせん全くまとまりの無い映画で最後まで全く面白く無いが>>続きを読む

神童(2006年製作の映画)

3.8

このタイトルで主演に据えられて存在感と説得力しかないのこの時点では地球上に成海璃子しかいなかったんじゃないの?ってくらい圧倒的な覇気があるし、あのt.A.T.u.ばりのドタキャン決める客寄せパンダジジ>>続きを読む

不都合な理想の夫婦(2020年製作の映画)

3.5

見栄晴パパの虚栄心の前で幸福だった筈の家庭が見るも無惨に崩壊していく一部始終をものすごくシンプルかつ単純に傍観していく。家父長制やトキシックな男性性批判と言うほどでもなくこれは「夢を追うほど、悪夢にな>>続きを読む

グロリアス 世界を動かした女たち(2019年製作の映画)

3.5

確かに変な映画で終始とっ散らかりずっとどこに焦点を合わせていいか観るものを路頭に迷わせ続ける嫌なタイプの映画なのだが敢えて好意的に解釈するとすればフェミニズムの主体は誰か個人に集約されるものではなく常>>続きを読む

秋が来るとき(2024年製作の映画)

3.2

しれっと始まったオゾンの新作であるが確かにそのまましれっと終わりそうな感じがした。話の運び方やさらっとしたクィア性の提示は流石に上手いのだがただそれだけでは毎度お馴染み小説でえぇやんって話になってしま>>続きを読む

赤い糸 輪廻のひみつ/月老 また会う日まで(2021年製作の映画)

2.0

エブエブほどではないとは言えこう言うショート動画繋ぎ合わせましたみたいな長編はただただ脳が疲労するだけで終わる、アレやこれやととっ散らかりあんなんやこんなんが出て来たらそりゃ権利もごちゃるよなと。Wヒ>>続きを読む

帰郷(2004年製作の映画)

3.8

オカンが再婚すると言うので地元帰ったら元カノに遭遇しあんたの子よ的なこと言われテンパるも元カノが失踪し娘ちゃんと一緒に元カノ探してる間にどんどん父性が芽生えていっちゃって俺頑張ってパパになるわ〜となる>>続きを読む

あなたの死後にご用心!(1991年製作の映画)

2.8

如何にもコメディアンが監督したら〜な作品ではあると、こんな〜は嫌だとか、もしも天あの世が〜だったらみたいなシチュエーションコント風で。むしろ裁判(審判?)が始まるまでが面白くて始まってからがどーもかっ>>続きを読む

訪問、あるいは記憶、そして告白 4K 修復版(1982年製作の映画)

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セルフプチファミリーヒストリー、遺言のつもりなのかもしれないが結果として過程でしかないのが凄いよなと改めて思う。実家は太いに越した事無いと思うが僅かばかりの悔恨を添えて。まだまだそう言う時代なんだろう>>続きを読む

サブスタンス(2024年製作の映画)

2.5

ほぼ津田が悪いと言うか千手観音かずこだったしヒロミもしくは魔裟斗&渚だったしロバート秋山だった。衝撃作で問題作ではあると思うが面白いかと言えばそんな事は無く、何やら日本の宣伝がおスベリ申し上げているや>>続きを読む

クィア/QUEER(2024年製作の映画)

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流石によく分からんかったがそういやこの人『サスペリア』撮ったんだったと思い出せて良かったし(?)、後ろの席のおそらくダニエル・クレイグ目当てで来たであろうおばさま二人組がまさにバッドな幻覚でも見せられ>>続きを読む

キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

2.0

事実そのものを尊重する気は勿論あるがただただ扇情的で映画として評価できる部分はまるで無い。ほとんどアンビリーバボーとかの再現Vと変わらん、音楽も全部それっぽい感じで煽りに煽るし如何にも低予算な雑な撮影>>続きを読む

The Musketeers of Pig Alle(原題)(1912年製作の映画)

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あっさり死ぬババア、カメラにヌルッと歩み寄るスナッパー・キッド、銃撃戦の縦構図、嫌な奴でも返す借り。

厚化粧したレディ(1912年製作の映画)

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ルッキズム批判の短編かと思ったらそう言うことでは無くすっぴんの人生の上に狂気と言う厚化粧を施さないと生きていけなくなってしまった女性の悲劇的な一生の話だった、怖っ。

ドッグ・レディ(2015年製作の映画)

3.9

野良犬と野良人の強かな共存戦略、人と人とは傷つけ合わずにいられないが人と犬とではそうでないならこの形は一つの理想か。私自身は秩序の中で生きていく事を是としているしむしろそうでない者に対する反感がおそら>>続きを読む

見えざる敵(1912年製作の映画)

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穴からヌルッと出てくる拳銃、あんなんも長い棒あったら一発だろうに。

The Girl and Her Trust(1912年製作の映画)

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『女の叫び』より本物志向、鍵穴を銃口として活用するアイデアって実際可能かどうかはさておきどっかでパクられてたりしないのか。ラストショットの決まり方がガチでエグい、手漕ぎトロッコと爆速機関車のスピード感>>続きを読む

逮捕命令(1954年製作の映画)

4.2

YouTubeのクソ字幕のやつで観てしまったがめちゃくちゃ面白かったのでちゃんとヴェーラで観た方がいい…。もはやお馴染み今となってはTwitterの具現化みたいな話だが、偽保安官の口車に乗せられた群衆>>続きを読む

オステンデ(2011年製作の映画)

3.0

退屈は物語を生み物語は時に現実を超越する。物語の渦の中に人間が易々と飲み込まれていく展開はまさに『トレンケ・ラウケン』への連なりを感じるしその習作としては充分な出来だとは思うが、正直これ単品でとなると>>続きを読む

未完成の映画(2024年製作の映画)

4.3

もしなんらかのタイミングでコロナ禍を象徴する優れた映画を一本挙げなさいと言われたら私はおそらくこれを挙げ続けると思う(勿論そんな機会は無いわけだが…)。懐古とか総括とかそんな言葉で終わらす訳にはいかな>>続きを読む

父と娘(2023年製作の映画)

3.5

父一人娘一人、共依存という程ではないがそれなりに強い結びつきの関係、娘の進学に伴いお互いに父離れ・子離れを達成出来るのかの葛藤。湿っぽくなりそうなテーマをかなりあっけらかんとオフビートに描く、ストーリ>>続きを読む

ローラーガールズ・ダイアリー(2009年製作の映画)

4.5

すいません完全に舐めてました。青春映画はこれ一本あればいいんじゃないかってくらい全部乗せで完璧だと思ってしまいました。私は男性ですから性別を同じくする母との確執も勿論無いですし、友達もいないので友達と>>続きを読む

狂気の愛(1969年製作の映画)

3.7

前半は随分と『親密さ』してますねぇと謎に戦闘力53万くらいのつもりでドヤ顔で観ていたが休憩中にここを開いてみたら案の定似ている作品に並んでいるもんでそりゃそうだ…と反省した、まぁハマグチェの土台にある>>続きを読む

It’s Not Me イッツ・ノット・ミー(2024年製作の映画)

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シネマとアイデンティティの解体の媒体となるゴダール、人生の幕引きすらもオマージュしてくれるなよとは思うが。

KIDDO キドー(2023年製作の映画)

3.9

あんな映画にこんな映画、はたまたそんな映画と古今東西ミニシアターで撫で撫でされて来た多種多様な名作の香りが至るところに生きているしそもそものボニクラ。繰り返しの横移動にポップでキャッチーでファンキーで>>続きを読む

来し方 行く末/耳をかたむけて(2023年製作の映画)

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あまりに静かであまりにゆっくりであまりに平坦で…。当然言葉に重きを置いた作品であるが故に一瞬でも小説でええやんと思ってしまったのが敗因、いい訳無いんだよ傾聴と対話の映画なんだから、ただそんなのが大変苦>>続きを読む