浦野いす

せかいのおきくの浦野いすのレビュー・感想・評価

せかいのおきく(2023年製作の映画)
5.0
私が今最も求めている時代劇だった。映画において最も大切にすべき演出の一つは生活だと私は思っているのだが、この映画は江戸時代の庶民の生活を排泄物を通して描いていてそのうんこという視点。そして生活感を重視した時代劇の中でも稀な新鮮さが一際秀でていた。「良い」というより「正しい」といった方が正しい。まさにその通りの傑作。時代劇はやはり民衆娯楽の名残があって派手な大作が多かった。もうそろそろこういう日々を謳歌する作品の出るフェーズに入っても良いのでは。裏長屋で生きる江戸の庶民の生活を描いたら面白いのではと考えていた矢先にこれが出たものだから飛び上がらずにはいられなかった。こういう映画が欲しかった。出来ることなら劇場で観たかったが、観ることができず泣く泣くU-NEXTで観る事になったが理想の映画を延々と観ることが出来て感極まりない。唐突に色彩豊かなうんこを見せくれるな。嬉しくなっちゃうだろ。
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