ししまる

コカイン・ベアのししまるのレビュー・感想・評価

コカイン・ベア(2023年製作の映画)
3.7
1985年、セスナ機から大量のコカインをジョージア州の森に投下中、運び屋が誤って落下して死亡。雇い主の麻薬王はコカインの回収を命じる。一方、13歳の少女らは森で大量のコカインを食べて凶暴になったアメリカクロクマに遭遇する。
実話に着想を得ているが、クマが暴れたり、人と接触したりした記録はない。それはさておき、森の中でリラックマならぬラリックマ大暴れ。予想を裏切るコメディ調で、軽快な音楽にのせて手足がもげたり、首ちょんぱになったりグロ描写も充実。登場人物多めだけど、順調に死んでいく。レンジャー役のマーゴ・マーティンデイルがおもろ。
✅メモ
主な撮影はアイルランドで行われた。製作費3000万~3500万ドルに対し興行収入9000万ドル。「刺激の強い殺傷・出血の描写がみられる」(映倫)ため15禁。
実際の出来事では元麻薬取締官アンドリュー・C・ソーントン2世がコロンビアから米国にコカインを密輸。1985年9月11日、共犯者と自動操縦のセスナ機でジョージア州を飛行中、コカイン入りプラスチック容器40個を落下させ、さらにテネシー州上空で飛行機を放棄した。コカインと男性2人で機体が重くなったためとされ、ソーントン2世はパラシュートが開かず死亡した。
3ヶ月後、ジョージア州北部で死んだクマ(体重79キロ)と開封されたコカインのプラスチック容器40個が見つかった。もともと容器には計34キロのコカイン(2022年換算で5440万ドルに相当)が入っていたが、容器は空になっていた。
ジョージア州立犯罪研究所の主任検視官は「クマの胃にはコカインがいっぱい詰まっていた」と説明したものの、クマがすべて摂取したかどうかどうかは確認されていない。
その後、検視官はクマを剥製にするよう友人に依頼して国立の保養地に寄付。山火事から守るために保管中に行方不明となったが質屋で発見され、現在はケンタッキー州のショッピングモールに展示されている。
アメリカクロクマは北米に生息し、クマの中で個体数が最も多く「くまのプーさん」や「テディベア」のモデルとしても知られる。
麻薬王役レイ・リオッタは本作公開前の2022年5月26日、新作映画撮影で滞在していたドミニカ共和国でアテローム性動脈硬化により67歳で死去。
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