けべん

しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜のけべんのレビュー・感想・評価

3.8
けっこうぶっ飛んでいて、幼き頃から見続けている大人に向けたであろう内容だった

タイトルとジャケットからわかるように、今作は今までと異なったテイストになっている。大人に向けているものの、今まで積んできた実績と違って違和感が生まれるかもしれない。ただ、クレしんも令和に入り、新しい領域にチャレンジしているのだろうことがうかがえる。

シリーズ初の3DCGが採用されているが、序盤から違和感はなかった。『ツヤツヤもちもちカラフル』感を出したかったようで、その甲斐あってかお尻は最高だった。

作品自体かなり短いが、導入が長く本題はけっこう突然かつトンデモ展開なので、ある意味スピーディではあった。今までの作品と比べると、少々荒作りな感じは否めない。
くだらなさは健在で、笑っちゃう場面も多く登場する。そこは童心に帰った気持ち。

タイトルにある”超能力”が鍵を握っていて話のメインかと思っていたが、終盤は何一つ関係なかったように思う。

クレしんを好きであり続けている理由は、子供も大人も楽しめるところ、メッセージ性が深いところ、にある。今作は、少し安直な点と、子どもにはわからないことが多かった点がイマイチだと感じた。ただ、言いたいことはかなりシンプルである。
現代の生きづらさ、元気の無さ、希望の見出しづらい社会でも人の活力を見出す道標を出したかったのかもしれない


単行本26巻(2000年刊行)の番外編『しんのすけ・ひまわりのエスパー兄妹』が元になっていて、ほとんどその通りに進んでいた。(なので、先に原作を見てしまう・思い出してしまうと本作の楽しみは減ってしまう)