Rita

君たちはどう生きるかのRitaのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.7
君たちはどう生きるか。

少年の成長物語なのは分かるけど何故眞人は父の再婚相手である母の妹夏子を自分の中で受け止めることができたのだろうと初めは思った。眞人の複雑な心境と嫌悪感が産屋のシーンでガラリと変わったように描かているが、眞人の成長の過程に疑問が残る。

2回目の鑑賞で、眞人は夏子を上の世界に戻す為、夏子の気持ちを考え受け止めた上で「お母さん」と呼んだのだと考える。この物語は義母を"母"だと認めるのではなく、眞人が自分の気持ちではなく相手の気持ちを考えなければいけないという人間関係を築く上で感情よりも理性など尊重性を学ぶことを強いられているようにも思える。そうだとすると眞人は相当頭のいい少年ですね。妥協が必要という少し説教じみた話にも見えますが、宮崎駿の自伝的な自身の親との関係を物語と繋げメッセージとして残した作品なのかもしれません。

宮崎駿の細かい人物の描き方が好き。だけど今作の家族構成の部分で、再婚、妊娠、母の妹、夏子が赤ちゃんがいるお腹に眞人の手を当てさせるシーンだったり気持ち悪く感じてしまう。

宮崎駿監督のオリジナル作品ではあるが、吉野源三郎の小説『君たちはどう生きるか』の他、今作に影響しているジョン・コナリーの『失われたものたちの本』を読んでから考察してみるとこの作品をより理解出来るかもしれない。

物事の捉え方を自ら変えることで人生がより生きやすいものになるというのも分かりますが、相手を肯定してあげるということが私にはできないかもしれない。個人的には何かを学ぶ映画にはならなかったですが、宮崎駿監督の最後の作品を劇場で見ることができてとても幸せです。

宮崎駿監督が作りあげてきたジブリ作品たちを連想させる映像でとても良かった。小さい頃からジブリが大好きで、もう宮崎駿監督の新しい作品が見れなくなると考えると寂しい。長い時間と労力が奪われていく大変な仕事だったと思います。これまで数々の素晴らしい名作を世に残してくれてありがとうという感謝の気持ちでいっぱいです。ただ個人的に米津玄師の歌が好きではないのでEDに不満でなりませんでした。

公開日の次の日には見に行ったのに二回目見ないとレビューをなんて書けばいいか分からなかった。宮崎駿監督作品は観賞してもレビューにしようとすると中々気が進まないというか書けない。
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