いちばさん

君たちはどう生きるかのいちばさんのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.3
出先で良い席が空いてたので急遽鑑賞。
純粋な一人の芸術家が魂を込めて表現した商業主義を廃した作品とでもいうか、まるで高僧の尊い説法を聞いて、お布施をしてきたかのような感じがしています。宮崎駿氏の今の気持ちというか、伝えたいこと、想いは、よくわかった気がしました。
 一人の人間、どんな人にも、内なる世界があり、異なる思想、正義があり、感じ方も、考え方もひとりひとり異なるけれども、先端科学でもってしても説明できない不可思議な生命という存在が同時代同時間で色々な思いをかかえながら共存する地球、この現実の世界、生きずらさ、不平不満欺瞞に満ちた世界かもしれないけど、ちょっとだけでもこの現実世界をみなが良いとおもう方向に努力して生きていくことが大事。意見の対立もあるだろうし、残念だけど戦争もなくならないだろうけども、すこしでもより良い世界になるように、生きて、生きた証を残して死ねたらそれでいいな。と思いました。
 と、ここまで書いてみて、映画のタイトルが、「君たちはどう生きるか」であったことにきがつきました。宮崎駿氏は、僕はこの作品を残すために生きてきた。と言っているのかな。

37年前に田舎の公民館での宮崎駿氏の講演今でも覚えていますが、そのときの朴訥とした語りの中で、自分の半生を非常に卑下して語っていたことが、より昇華されてこの映画にも反映されてたようにも感じました。

年齢によってまったく見方も、感想も違うとおもいます。いまから40年前の自分なら、2.0かな笑 フィルマークスにある同時代を生きている方々の色々な感想をこれから楽しみたいと思います。
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