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君たちはどう生きるかのkakakaのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.7
オープニングの、火炎の中を駆ける眞人のシーンからしてやられた。
ある意味実写よりも熱を感じさせる、摩擦熱がそこにありありと感じられるような赤さは、監督の情念のようでもあり、すでにこのシーンをスクリーンで見られたことで十分だった。
彼岸と此岸の、あるいは胎児の夢とも言うべき物語だが、眞人も大叔父も「監督」その人であろうし、大叔父が作り上げた積木(世界)を壊すということは、過去に縛られず、新たに生きる者達に、君たちは何を創るか?という問いに思えてならない。
ミレーの「種まく人」、ベックリーンの「死の島」、マグリットの「ピレネーの城」がモチーフとして美術に描かれるので、監督のアートの嗜好に触れられるのも嬉しい。
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