よとり

君たちはどう生きるかのよとりのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.9
最初見た時はジブリの寄せ集めにしか見えなかったが、途中から火と水に対する考えの逆転性や人と動物の関係性が変わっていることで,現実と理想の反転世界にいるのではと思ってみていた。

視聴後に残った違和感をもとに色々な考察を見たら、宮崎駿から後継者に対するメッセージがこの作品には込められていたと書いてあって非常に納得した。

宮崎駿が作り出した世界は
想像力豊かで人の視界を拡張していくものであり、時と場合によっては理解ができないことがある。その思考空間に後継者も入ろうとして同じ世界を作ろうとしても、それは模倣でしかなくオリジナルにはなり得ない。

宮崎駿は自分の世界観を大切にしつつもそれを絶対的概念として後継者に託すことはなく、「自分で自分の世界を作れ」と違う道があることを示すことをこの映画でやろうとしていた。

現実世界に戻った主人公の周りにはもう宮崎駿の世界にあった偶像や存在は見えなくなり,新しい自分の世界を作っていくのだろう。
よとり

よとり