エータキ

君たちはどう生きるかのエータキのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.6
ある芸人の、幼稚園か何かで積み木の遊び方を教えてて、最終的に先生が「自分だけの塔を積み上げろ!」とひたすら鼓舞しまくるコントを思い出した。
全然内容違うかもだけど。塾講師かも。作り上げろかも。とにかく自分だけの塔を作るというのを覚えている。

歪なものでも自分の中で一本筋が通っていれば積み上げられる。
その積み上げたものを誰かに引き継ぐことは出来ない。

前半、異世界へといきそうな気配はあるけれど、中々行かない。もはやそういう作品かと思ったら、あれよあれよと異世界にそのメンツで行くの?という感じで突入する。

そしてその異世界も次から次へと島を渡り、様々なキャラとの出会い・別れを繰り返しながらよくわからない旅をしていく。
島やキャラクターは今までのジブリを振り返っているようなものばかりだった。

終盤から最後のシーンを受けて、
ジブリが、というより宮崎駿が今まで作ってきた作品も何か共通めいたものがあり、それこそがまさにジブリっぽいと感じるもので、でもそれは宮崎駿以外には出せない。なのでジブリはこれにて終わり。
ジブリ作品をずっと大事にしてくれるのも当然いいけど、きっといつかは忘れるだろうし、各々がそれぞれの人生歩め、みたいなのを感じた。
石を持って帰る心情は、まさに自分が本や映画のDVDを買ってそばに置いときたいという気持ちと同じだと思い、ある種フィクションを現実を生きるためのお守りとすることを描いていると思った。

学生時代はこういった抽象的な話は何も受け付けなかったけど、いろいろと意味を考えて解釈しようとするようになったのは少し大人になったからなのか。

自分は今、何を積み上げられているのかを考えるのがどう生きるかの一つの答え方ということにする。

あとポスターの鳥みたいなやつのキャラデザをあんな感じにしてしまうのすごい