ネタバレしようと思っても出来ないぐらいの奇怪なジブリワールド炸裂映画だった。どなたかが｢高熱の時に見る夢｣｢宮崎駿の走馬灯｣と書かれているのを事前にチラッと拝見して、どんな映画やねんと思って気になったから足を運んだのだけど、観ながら｢いやほんとにこれはそうですね…｣と思った。
超簡単に言ってしまえば｢意味がわからない｣という表現になってしまうのだけれど、決して｢はぁ？｣っていう感じのわからなさでは無かった。全てのシーンにこめられた真意と熱い想いがあまりにディープすぎる雰囲気が漂っているので、とても容易に｢意味わかった｣とは言えないという感じの｢意味がわからない｣かな。
しかしこれだけめくるめく奇怪な映像を2時間見せられても決して｢面白くない｣という感想を抱かせないのはさすがだと思った。私は全くジブリファンでは無く、どの作品にも何の思い入れも無いので宮崎駿さんの集大成としてのエモさみたいなのは全然わからないのだけど、分かりやすくて明快なこと＝面白い、ではないと思っているので2時間ずっといろいろ思考しながら観る感じが純粋に楽しくて、結構気に入った。
脳裏に焼き付きそうなちょっと怖いぐらいの強烈な色彩やビジュアルが宮崎駿のドラッグムービーという感じがして終始めっちゃクールだった。今敏のパプリカ、Alfred Hitchcockの鳥、Netflix哲学アニメのThe Midnight Gospelあたりが観たくなった。
