アジソン病を既往に持ち1月に一度投薬しないと命に関わる愛犬がアパラチアン・トレイルで行方不明に。投薬のタイムリミットは後20日。
パウルス・タットゥンギの小説を映画化したドラマ。
主人公は大学を卒業するも就職せずヨガをやったり犬と遊んだりするばかりのヒョロガリ。大学の卒業式すら寝坊して欠席するボンクラ。
かたやその父親は渋いナイスガイでどうやら稼ぎも良さそう。
犬探しの旅と父と子の確執、そして和解を描いたロードムービーとも言えそう。
犬好きとしては、そもそもノーリードの時点で信じられないところだが、自由の国アメリカではノーリードも普通なのかもしれない。
父親が自身の人生やキャリアと息子を比べて「お前の年齢の時は父さんはもうこんなこともしてあんなこともしてた、お前は情けない」なんてのは世の常で、おおいに共感できるベタなドラマだ。自分もついつい息子と自分を比べてしまうが、良い人間になってほしいと願えばこそ。子育ての難しさは万国共通か。
父と子のベタなドラマは感動的だが擦られきった題材だけに特に工夫も感じられず残念。本作で最も印象的なのはサイドストーリー的に語られる主人公の母親の過去とトラウマ。ペットを飼っていれば必ず悲しい別れは来るもの。そのトラウマを乗り越えるシーンは思わず落涙。
犬好きの子有り中年男性にはブッ刺さりそうな題材。家族でまったり観るにはぴったりかもしれない。