イタルマン

ゴジラxコング 新たなる帝国のイタルマンのレビュー・感想・評価

5.0
その昔、ゴジラは娯楽の王様だった。

映画が娯楽の王座からズリ落ちてどれくらい経っただろう。小さな画面で個々人がコンテンツを消費するようになった。
でもやっぱり劇場で咆哮に胸を射抜かれてしまったオレはスクリーンにあの姿を求めてしまうのだ。スマホの画面は怪獣王には狭すぎるから。

モンスターバースのゴジラも4作目。ハードな作品に見えて蓋を開けたらチャンピオン祭り2014、怪獣大盤振る舞いVSシリーズの香りKOM、嘘スケールは超巨大、夢のドリームマッチVSコング。作品は繋がっていながらもテイストはバラバラ、しかしどれも過去作の香りがするという共通点がある。
さて今回は…どんな…エッ
完全に昭和の香りがする!!!????!!

ストーリーは超シンプル。謎の地下世界からのSOSに導かれてコングと人類が地底を探検。そこに現れた地上進出を目論むスカーキングwithシーモ。対抗するためコングはゴジラに助けを求めるがそもそも手を貸してくれるのか?!

怪獣映画は人間いらん怪獣だけ出てりゃいいのにという意見にじゃあやったるよと製作者が思ったのかは知らないが今回はドラマの半分ほどをコングが担当!ジェスチャーと表情でセリフ一切なしの地底探検物語を見せてくれる。あげくゴジラもモスラも参戦し、これはもう小美人が通訳するしかないんじゃないかと思ったがどいつも巧みな顔芸で何も問題はない。
「そういうことならしょうがねえ、力を貸すぜ」そう微笑むゴジラ!

チンピラめいた悪!弱みを握られ従う超強い姫君!そいつらに地底の若武者コングと地上最強怪獣王がタッグを組んで立ち向かう!
ヤンキー漫画のような筋書き、擬人化ギリギリの顔芸で語る怪獣たち、そして顔になんか塗ってる未開の部族。脳裏に浮かぶ三代怪獣地球最大の決戦、嗚呼これは超絶アップデートされた東宝チャンピオン祭りに違いなくラドンもそうだそうだと言っています。
建築物は砂山みたいにブッ壊されスクリーンからはみ出すほどの怪獣大乱闘。映ってないとこでめちゃくちゃ人死んでそう。

ポリティカルフィクション要素をかなぐり捨て
疾走れ共に、闘え地の果てまで。
一線は確かに越えられた。
時を戻そうゴジラが娯楽の王様だったあの頃に。

オレが、オレたちが王様さ。
イタルマン

イタルマン