yayou

目の見えない白鳥さん、アートを見にいくのyayouのレビュー・感想・評価

4.0
哲学的だったな。白鳥さんに問う、
幸せはどこにあるか。
時間の中にある。
それらの経験をどこまで信じられるか。
幸せを切り取るのはもったいなくて、刹那的なものであるのは、とてもわかる。


白鳥さんが、アートを鑑賞するきっかけは学生の時、彼女と美術館デートをしたかららしい。ほほえましい☺️

写真活動といって白鳥さんは写真を撮る。
白鳥さんのその視点が気になった。白杖を持って歩く道の端、点字ブロックあたりからの街の風景。信号。色んなものを撮っているけど、ブレていたりピントがあっていないものも。
見えない白鳥さんの見返すことのない日記だ。


本質をとらえるのに、
見える見えないは、ほぼ関係ないんだなと、白鳥さんから教えてもらった気がする。社会や制度において見える見えないは大変なことかもしれないけど、目が見えるからといって、果たしてちゃんと見ることができているだろうか。

白鳥さんは、見える人を介して、目の前の作品を鑑賞する。自分の想像の中に作品をつくる。介する人の言葉によっても違ってくるだろうから、責任重大だし面白いな。その作品の作家が何人もいる感じ。

はじまりの美術館に最終日にきた鑑賞者さんのお話も興味深かった。
見えていた時のことを思いだし、さらに深いところに何があるのか考える。

白鳥さんは人が好きなんだろうな。
美術好きではなくて美術館好きだと言っていた。

「ハハハ」と「ふふふ」と「くくく」が混ざったように笑う、よく笑う白鳥さんが印象的でした。

白鳥さんはどこまで行くのか。
どこまでもいってくれ〜
yayou

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