KOTAYOSHIDA

呪餐 悪魔の奴隷のKOTAYOSHIDAのレビュー・感想・評価

呪餐 悪魔の奴隷(2022年製作の映画)
3.5
佳作インドネシアホラー『悪魔の奴隷』の続編『呪餐 悪魔の奴隷』、今回は全体的な恐怖レベルが底上げされているのに加え、クライマックスはとにかく訳が分からんが凄い事になってる!こと奇祭展開のある奇祭ホラーでもあった。

ジョコ・アンワル監督の作品を前作と併せて2作しか観ていていないので何ともだが、撮影の仕方と編集のテンポ感が独特。執拗なドリーや急な横パンなど人の生理的な目の動きを反映したようなカメラワークが多く、確かにカットをまたぐよりは効果的な部分も多いが、横パンの多用は結構見ていて疲れる。また普通のホラーであれば、第二幕で何やら不穏なことが起き始めたらどこから尻上がりにドライブしていくものだが、本作は割とそうでもない。いや結構限界な状況になっているのはいるのだが何というか結構淡々としている。如何にも「怖いでっせ!」という劇伴がガンガンなっているのに淡々としているというか不思議な感覚になる(これは前作でもそうでした)

あとホラー演出に関しても「暗さ」を利用した怖がらせはとても良かったが、"来る?→来ない→来る?→来ない→やっぱ来る?→来ない→と思ったら来た!"の一辺倒ではあったので緩急の捻りの無さでいうとそこまでという感じではあったが、ここに関してはまだまだ伸びしろが有りそうなので3作目に期待。また実際のデカいマンションを使ってのソリッドシチュエーションながらもスケール感の大きなホラー映画になっていたので、本当に自作で化けそうな予感はヒシヒシとしている。

独特なテンポ感なので体感的にも若干冗長に感じてしまったのは否めないが、こういう気合の入っている調子の良いホラーが作られるという事はインドネシアのホラーが勢いづいていることの証明でもあるので、これからが非常に楽しみ。
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