やんすけ

犬、回転して、逃げるのやんすけのレビュー・感想・評価

犬、回転して、逃げる(2023年製作の映画)
2.0
この作品がどういう経緯で制作されたか分かりませんが、冒頭10分くらいで「…あれ、学生さんの自主制作映画かな?」と思ってしまいました。

泥棒・爆弾魔・家出少年・婦人警官などによる群像劇&シュール・コメディなんですが、とにかく中途半端な感じが強かったです。事態のあらましを「犬」の目線で追うのかと思えば…そうでもない。肝心の登場人物たちのキャラ設定も、しっかりしたキャラとほったらかしのキャラが乱立している。コメディ要素も「不条理」まではいかないけれど「非日常」ではある感じ。そしてその匙加減が観ていて絶妙に…気持ち悪い。コメディにおける「緊張と緩和」も、緩和だらけなのでバランス悪いです。またナレーション(説明)が入ったり、セリフを俯瞰的にいじったり、モブにゼスチャー表現させたりなどの実験的な工夫が施されていますが、成功しているのが3割程度でスベっているのが7割といった印象。観ていて寒かったです。こういうのって舞台演出に近いのかな?。映画でやると大抵失敗しますね。
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