ぴょん

機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディションII 遥かなる暁のぴょんのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

カガリとアスランのやりとりが可愛くて好き。

泥沼化していくところは見応えある。フェンス越しの再会なんてめちゃ名シーン。こういう人間関係の構図作りと画面表現のうまさが光る。

キラ立ち直りから最終局面に向かう納得感というか、キャラクターの(特にキラの)心情がよくわからない。ただよくわからなくても中2心にはめちゃくちゃ響く。

追記)テレビシリーズ見返し。泣きながら行かなきゃっていうところは、この戦争をなんとか終わらせるために、「一人でも」やるんだって決めたってことかな。えらいな、えらすぎる。キラの決意がラクスを動かし、モビルスーツを与えるって展開も良い。案外決める時ってのは、急に決まるものなのかもしれないし、ここは納得。

「地球軍でもザフトでもない立場に立つ」とキラが決めた後にオーブへ。「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず」「自立する」というオーブの理念こそ、キラの守るものでもあるってことかね。それにしても「僕も正しいと思う」みたいなぼんやりとした受けしかしてないキラ。このへんは意図的な作劇なんでしょうか。キラの覚悟の輪郭がボヤけて伝わりづらくなってる気がするから、あんまり上手くいってない気がする。せめてもうちょっとキラの言葉で喋ってほしかった。

キラの覚悟が、アークエンジェルやアスラン、ミリィをはじめ徐々に周りの人を動かしていく、というのは、プロットの大枠としては納得できる。

一番納得いかないのはオーブの指導者たちで、あんなふうに死ぬ必要が全くない。死にさえしなければ続編でカガリがあんな可哀想なことにならなかったのに、とか、いい話だし盛り上がるけど、それでいいんか?という感じのする展開が増えてくるのも気になるところ。

ヒーローものとしては爽快感あるし、協力シーンももちろん熱い。でもキラは自分で決めて、戻ってきたけど、この後どうすんの?ってところがぼやけていて、意図的にぼやけさせているのかもしれないけどそれが無責任にみえる。
自分で戦う敵を決めるってところでキラはもう物語上出来上がってしまっていて、そこから先の展開がない。このあとも成り行き上の展開にしかならず、キラの見せ場は「舞い降りる剣」で終わってしまった。

そのへんが結局最後の、ドラマとしての不完全燃焼感にもかかわってくるのよなとおもう。
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