たむたむ

ザ・キラーのたむたむのレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
3.0
【すみやかに遂行せよ】
映画はしごDAY2本目はこちら。

フランスの同名グラフィックノベルを原作に、『セブン』のアンドリュー・K・ウォーカー脚本、名匠デヴィッド・フィンチャー監督により映像化されたクライムアクションサスペンス。

ミスの代償により窮地に立たされた暗殺者の男が、境遇に抗いながら繰り広げる追跡復讐劇。

近日ネトフリにて配信予定とのことですが、久し振りのフィンチャー新作だし、おまけにティルダも出演しているとあれば、未加入の私としては当然のごとく劇場案件でした。

クールなオープニング演出は、短いけど「さすが」!
…でも正直ここがピーク(^^;;
まず、ぜーんぜん速やかじゃない(死)御託を並べるばかりで、なかなか狙撃しない挙句「ほーら言わんこっちゃない」展開。変わり映えしないワンシチュ画面で描かれる、ダラダラ長いだけの至極退屈な第1章。
何度「はよ撃てや」と心の中で呟いたことかw

その後も、ファスペンダー扮する暗殺者の男によるモノローグを主軸に、淡々と物語は進行していくのですが、「予測しろ、即興はよせ」「感情移入は人を弱くさせる」「誰も信じるな」等々、自分に言い聞かせるように、たびたび繰り返されるこのフレーズにも冒頭のシーンが影響して辟易してくる始末;

そもそも、原因の発端は自身の失態だし、殺し屋なのに近親者と暮らしていたり、しょっちゅう寝落ちしてて隙だらけだったりと、主人公はプロらしさに欠け人間味のある人物像。にも関わらず、ひたすらシリアスな展開に終始するもんだから、何度も瞼が重くなるわ、お尻も痛くなるわで。。
終盤やっとティルダが出てきたと思ったら、出番は少ないし…というか本作、ほぼファスペンダーの独壇場。彼のファンなら堪らないだろうけど、個人的に体感時間はランタイム以上に長く感じました( ¯ᒡ̱¯ )

ザ・スミスの音楽もカッコいいとはいえ、私はトレント・レズナーの劇伴をメインにしてくれた方がファンとしては嬉しかったし、その方が作品の雰囲気にも合ってたような気がするけど、どうなんだろ。

というわけで、好きだからこそダラダラと厳しめなレビューになってしまいましたが、残念ながらノット・フォー・ミーな作品でした( ´^`° )
でもまぁ、刺さっている方が大半のようなので、私のスコアは一参考までに留めて下さいmm
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