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ザ・キラーのkakakaのレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
3.8
依頼を失敗した殺し屋が、留守中に自宅を襲われ居合わせた恋人が半殺しに合い、その復讐を誓う、という味付けは塩、コショウのみみたいな、今時珍しい程、シンプルなプロット。
ハードボイルド小説としてはあるあるの、主人公一人語りで物語は進み、己のお仕事How toを語りながら、黙々と仕事を遂行していく様がシンプルなプロットと相まって、冷え冷えとしたリアルな殺し屋の人物像を浮かび上がらせる。
今時の殺し屋は、仕事道具をAmazonで発注するんだから便利な時代だ。流石A~Zまで、何でもそろうAmazonだ。
ソリッドな映画だが、それ故に対照的なThe Smithsの劇伴使いが有機的に響き、かえって不安を煽る演出も良い。
さらにエンドロールでも流れる、メインテーマの金属のような劇伴は見事に本作を体現しており、映画を観終わった帰りの冷え冷えした地下鉄構内でも、しばらく耳に残るのでした。
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