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行く先/後世のakrutmのレビュー・感想・評価

行く先/後世(2021年製作の映画)
3.0
作家を目指す男性が貧困に喘ぎながらも成長していく姿を描く、ルーダ・ベン・サラ=カザナス監督の長編デビュー作。第13回(2023年)MyFFF参加作品で、観客賞を受賞している。パリでウーバーイーツ配達員のような仕事で糊口を凌ぎながら小説を書いている主人公の青年ラビディ。リヨンに帰省したときに両親が営むカフェで女子大生と知り合い、恋に落ちる。友人とシェアしていたアパートから出て、彼女と同棲するようになるが、家賃を払うために詐欺や窃盗に手を染める。

主人公に共感できず、なんだかなぁ~という作品。本作の紹介文に「作家志望の男の不安定さを通じて、今どきの若者が抱える危機感がうまく表現されている」とあるが、この主人公を今どきの若者の代表みたいに言われても、フランスの若者も納得いかないのでは。うじうじしているわりにはかなり大胆に詐欺とか変な奴にしか見えないし、そもそも、悪いことしちゃいかんだろ。それを特に止めない彼女もどうなのか。そもそも、なんでこんな男に惹かれたのか、意味不明。ルームシェアしていた友人のほうがずっとマシ。

もしかすると、この映画では直接的には全く描いていないが、ラビディがチュニジアからの移民二世であることが影響しているのかもしれない。実は、チュニジアからの移民二世であるルーダ・ベン・サラ=カザナス監督自身の経験が反映されているという自伝的な作品らしい。小説と映画という違いはあるが、おそらく監督自身が主人公のモデルになっている。そう考えると、めちゃくちゃ自画自賛のようなラストシーンが…

主人公の彼女エリザを演じたルイーズ・シュヴィヨットは美人だけど、どこかおばさんくさて、とても学生には見えなかった。
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