秋のコーラ

バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版の秋のコーラのレビュー・感想・評価

4.5
とても思い出深い作品で、劇場で観られて感無量だった
ワイスピからカーアクションにハマった中学時代に、カーアクションにフォーカスして色んな作品を漁っていた際に、一番印象に残った作品。思えば、本作からアメリカン・ニューシネマも色々と観ていったけど、60~70年代のニューシネマの中でも本作が一番お気に入りかな
また、ヘリで車のすぐ上を追うショットを問答無用で好きになるきっかけの映画でもある

本編は、純度100%のザ・カーチェイス映画。「面白い」映画では無いけれど、不思議と飽きることが全く無い
自由を求めて、コワルスキーは長く続く1本のフリーウェイを、何も無い広大な土地を、白のダッジチャレンジャーのアクセルを踏み込んで爆走させる
道中で様々な個性的な人たちと触れ合い、自身の過去の傷を思い出す。そして、盲目の黒人DJとの精神的な触れ合い
一つの消失点を見つけた先にあるラスト…

単純明快なストーリーラインなのに、説明描写がほとんど無くかなり哲学的で難解
ただ、本作のコワルスキーから得られるエネルギーが確実にある

今回、時代から考えてもうそろそろで終わりを告げようとしていたヒッピー文化の刹那的な要素も、とても味わい深かった
ヒッピーの時代を駆け抜け、その先の消失点へと消えていくダッジチャレンジャーの姿が涙を誘った
秋のコーラ

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