ShinMakita

世界の終わりからのShinMakitaのレビュー・感想・評価

世界の終わりから(2023年製作の映画)
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…そう、2週間後に世界が終わるということだよ。


☆俺基準スコア:2.0
☆Filmarks基準スコア:3.0




事故で両親を亡くし祖母と暮らしていた女子高生・志門ハナ。とうとう祖母が亡くなり天涯孤独の身となった彼女は、進学を諦めバイトでなんとか生活しなくてはと考える。そんな時、警察庁警部局の名刺を持った江崎という男が現れた。どうやらハナが見る「夢」に関心があるらしい。夢の内容を逐一報告してくれという江崎だが…


「世界の終わりから」



辛い毎日を送る女子高生が、夢の中のクエストを遂行することで世界を救う…という紀里谷さんのSF映画。薄っぺらいセリフと幼稚なメッセージ性に半笑いになるアンチもいるでしょう。俺もかつてはアンチだったけど、「ラストナイツ」で評価を改めた1人。本作は紀里谷映画の幼稚さ・安っぽさが逆に見易さに繋がっていて没入できた良作だと思います。複雑な夢設定で混乱させながら、シンプルなエモさを提示するという点は明らかなノーランの影響。特に「インセプション」ですな。この世界を救うべきか否かってのは「デビルマン」的とも言えるかも。とはいえモノクロパートの質感と現実パートの色彩設計、顔アップのショットなどには紀里谷さんの個性が感じられます。

主演・伊東蒼が見せる自己否定・自己肯定感が揺れ動く演技が素晴らしく、彼女を見守るつもりで見ていれば長い尺も気になりません。夏木マリも熱演、毎熊くんの優しい演技も良かったなぁ。大谷石のロケ撮影も効果的。
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