マジで評価が分かれる作品。
私は抜群に怖い作品だと思った。
見たあとに電話型のオモチャにキレ散らかす人が出そう。たぶん同型を見たら殴りかかると思う。
常に不穏なカメラワーク、外れた画角で無意味な描写の連続。そこに意味を見出させようとさせる作品。
物語としても意味がありげだが恐らくほとんどのシーンは無意味なもの。子供が考えた恐怖の群像体。暗闇の先は何もないが目を凝らすと悪魔が笑っている。ベッドの底には何もないがおぞましい怪物が潜んでいる。
だがそこには何もなく暗闇が広がる。何もないからこそ意味を見出そうとすると作品の術中に嵌まる。
プライマルな恐怖は闇の底。見えないものが恐怖。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、暗闇の中のノイズを見てシュミラクラ現象を繰り返すが実際の作品には悪魔が笑っているわけではない。でも恐い。
余白を楽しむ作品。主人公の子供たちが死んでいるのか、夫婦が死んでいるのかが最後まで語られないが恐らくどちらか、もしくはどちらも死んでいる。
夜闇しか映らないので、個人的には恐らく幽霊視点の作品だとは思う。幼い兄弟が自分たちの思い描く最大限の恐怖体験を残した、という感じな気がするが見た人によって解釈が異なる気がする。
地下と2階で兄弟が分かれたのは死別の仕方が違うことに由来しそう。物語早々ケイリーは階段事故で死去ってことになってそうだが、あの血の感じから違う気がする。
見ててリングの呪いのビデオをずっと見てる体感してた気がするが、リングの呪いビデオの方が意味を補えるレベル。572日後、というものにもあまり意味がないんだろうなぁ、と思う。
今まで見たホラー作品の中ではかなり抜きん出てる。無意味さ、意味を模索すること強要させられることをふくめて二度と見たくない。