女優サラと彼女の3人の女優仲間の恋愛模様を描いた、大女優ジャンヌ・モローの監督デビュー作となる恋愛ドラマ映画。
フランス南部ヴァールの緑豊かな別荘でくつろぎながら会話する4人の女性。ポップでカラフルなオープニングに続いて、エリック・ロメール風のシーンで始まる10分間の冒頭は、静かながらも情緒豊かな恋愛ドラマが繰り広げられることを予感させる。その後は、1年前のパリを舞台に、サラを中心に4人の女性(みんな女優を仕事にしている)の恋愛模様が描かれていくが、特段の説明もなく登場人物が次々と出てくるので最初は戸惑ってしまう。それでも後半になると、男性たちとの関係性が見えてきて4人の内面があらわになり、見応えのある恋愛ドラマが繰り広げられる。主人公サラを演じるジャンヌ・モロー自身の熟練した演技のおかげもあって、派手ではないが女性の精神的な自立を印象的に描いた佳作に仕上がっている。
・赤が似合う本映画のジャンヌ・モローがとても魅力的。自分よりも若い男性たちとの恋愛模様もまったく違和感がない。そのうちの一人であるドイツ人作家を演じているのは、若きブルーノ・ガンツ。ちょっと驚く。
・サラと同世代で一番の友人ラウラを演じるのは、イタリア人女優のルチア・ボゼー。二人よりも若い世代の友人ジュリエンヌとキャロリーヌを、フランシーヌ・ラセットとキャロリーヌ・カルティエが演じている。特に、キャロリーヌ・カルティエのコケティッシュな容姿が印象的。
・ジュリエンヌを口説くアメリカ人俳優(を演じるキース・キャラダイン)が、どこか気持ち悪い。ジャンヌ・モロー監督はこの役にジャック・ニコルソンの起用を当初は考えていたとか。