ボギーパパ

妖怪の孫のボギーパパのレビュー・感想・評価

妖怪の孫(2023年製作の映画)
3.8
劇場2023-25 熊P

昨年暴漢に襲撃され落命した安倍晋三氏に関するドキュメンタリー作品。パンケーキと同じコンビの監督&ナレーション。子分?のパンケーキから始めていよいよ本丸か。

正直に言って、私はこの安倍晋三という政治家を全く信用していない。死者に鞭打つ気はさらさらないが、特に第二期・安倍政権時における政治手法、政権運営には、いまだもって全く納得できないし、この政治の停滞を生んだのは彼の影響が大きいというか、でしかないと考えている。

本作はこの政治停滞、地盤沈下、思考停止を生んだ安倍政権の元の元を辿る、制作に覚悟のいる良質なドキュメンタリー。

作中にも言われているが、今テレビでこれはできないのか?今国会の放送法に関するドタバタを見ていても無理なのか、、、と暗澹たる気持ちになる。

それにしても、言った言わないの、捏造だそうじゃないの、レクはあったのなかったのと、彼のチルドレンがほざいているのは不愉快でならない!一方で免許を握られたテレビもだらしない。新聞もダメ、、、ご注進する記者がいるって?情けない、、、

というわけで、この不愉快の原点を少しでも理解して更に追及していくために鑑賞。

①安倍晋三の生い立ち、人間形成期
②憲法に関する考え、集団的自衛権ほか
③官僚への圧力(彼らのの情けなさも含めて)
④ジャーナリズムへの攻撃?
⑤統一教会との関係
⑥保守としての本質の有無
このうち①②⑤⑥は本作のタイトル『妖怪の孫』の妖怪=岸信介との連関性を主に言及。
継承、反発、超越がキーワード。
いちいち腑に落ちる。丁寧な取材、ファクトの積み上げが奏功。ドキュメンタリーの基本に忠実に作られている。
パンケーキも観たけどパンケーキよりずっと腑に落ちる、というかパンケーキの人は安倍氏の子分みたいなものだったから薄かったんだな、、、

特に小林節教授の憲法パートは改めて心に刻まねばならないと深く感じ入った。ここは次回の選挙で各候補者に聞いていかねばならないポイント。

それにしても、、、と思ったことは以下2点

①何故、あの男が2回、そして憲政史上w
稀に見る長期政権を維持したか、のシステムがよくわかった。デタラメだね。アルファロメオも含めて許せん!
「やってる感」ね、ほんとによく出ていたのに追及しきれなかった野党とマスコミの責任は大きい!
②桜を見る会、集団的自衛権、森友加計、統一教会、何も解決していないのは悔しい。死人に口無しか、、、いや決してそんな訳にはいかない。忘れちゃいけない!

ということ。心に潜む妖怪はこうして生まれたのだということも、、、

選挙は必ず行きます!
古舘寛治さんのナレーションは非常に良かった。
ボギーパパ

ボギーパパ