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烟草雲のnのレビュー・感想・評価

烟草雲(2022年製作の映画)
4.0
最初はなんだか全貌がつかめなかったけれど、
私が小さい時身内が亡くなってお葬式が行われた時の数少ない記憶は、
写真に切り取ったような短くてよく分からない風景だったり、印象的な人の行動(目をぎゅっと瞑っている人とどうでも良さそうにしている人の対比とか)だったりするから、なんだかわからないっていうのも正解のひとつかなと思った

高校生の時、私の父が亡くなって葬儀が行われた時の記憶も、正直とても曖昧で、、周りの人だったり花だったり、棺に手紙を入れたことだったりは覚えてる… (悲しかったのももちろん覚えてる)
けど、お通夜に来てくれた人を気にかけたり色々忙しくて、覚えていないこともあって、ショックで記憶が飛んでいるところもあって、、

最後くらい時間をかけて、もっと正面からゆっくり向き合いたかったな と、何年もずっと思ってる

式が終わる時も、まだ話してる 行かないでってずっと思ってた


この映像は、細かい実情は分からないなりにも、終始悲しくてやりきれない空気感が手に取ってわかるような作品だった

お父さん、本当におじいちゃん(実父)のこと大事に思っていたんだな…
パートナーに家の中で煙草吸うなって言われてたのか、おじいちゃんが肺とか気管支の病気だったから気をつけていたのかわからないけど、、煙草の数増えて当然だよね
ずっとお線香の火を絶やさずそばにいて、葬儀が終わってもタバコの煙を昇らせて、お線香代わりにして悼んでいたのかな

一緒にタバコ吸いながら会話した記憶も、大切に残っているのかな

わたしもそんな手段が、欲しかったな
羨むような状況じゃないのに、時間をかけて純粋に父へ思いを馳せているように見えるお父さんが羨ましく見えてしまった。


お父さんもお母さん、これからも良いことも悪いことも何回も思い出しながら、長生きしてね と願いたくなった。
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