May

夜明けのすべてのMayのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.7
とにかく静かなストーリーだがちっとも退屈しないどころか、すごく引き込まれた。松村北斗、上白石萌音が思った以上に良かった。声の仕事もこなしているだけあり、それぞれのモノローグもよい。
片やパニック障害片やPMSという自分ではどうしようもない感情の波を抱える主人公たち。でもその波をやり過ごす時に当事者でも手を差し伸べることができるのに気づき、ひとまわり世界が広がる。
松村北斗演じる山添くんの決断を耳にした時の、渋川さんと光石さんの表情に涙が出た。
こと男女が主役となると恋愛を絡めがちであるが、そういうのが一切なかったことでテーマがブレず非常に見やすかった。そして意地悪な人も出てこない。実際はなかなかないだろうが、そこも心穏やかに観れた点かも。
社長の弟さんが遺したカセット、資料、メモ。夜明けについて。移動式プラネタリウムのナレーションが胸に響く。生きづらさを抱える人そうでない人も、光が見える映画だと思う。
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