サトシ

夜明けのすべてのサトシのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.3
三宅唱監督、主演は松村北斗と上白石萌音の人間ドラマ。

PMS(月経前症候群)のせいで月に1度イライラを抑えられなくなる藤沢さんは、薬の影響で会議の準備中に会議室で眠ってしまいこれ以上迷惑を掛けたくないと辞表を提出する。5年後、玩具を製造する会社に再就職していた藤沢さんは、転職してきたばかりの山添くんとトラブルになる。仕事中に頻繁に飲むペットボトルのキャップの音が気になると怒りを爆発させてしまうのだ。やる気のなさそうな山添くんだったが、そんな彼もまた、パニック障害を抱えていた。職場の人たちの理解に支えられながら過ごす中で、藤沢さんと山添くんの間には、恋人でも友達でもない同志のような特別な感情が芽生えはじめる。やがて2人は、自分の症状は改善されなくても相手を助けることはできるのではないかと考えるようになる・・・。

【キャスト】
山添孝俊:松村北斗(SixTONES)
藤沢美紗:上白石萌音
辻本憲彦:渋川清彦
大島千尋:芋生悠
岩田真奈美:藤間爽子
藤沢倫子:りょう
栗田和夫:光石研

病気の人に何か支えになってあげられるのではないかと感じさせてくれる素晴らしい作品でした。
山添くん、藤沢さんともに、病気と向き合い自分の生き方、居場所を見つけ前向きに生きていく姿が本当に勇気付けられます。
松村北斗と上白石萌音はNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」以来、2年ぶりの共演だそうですね。
松村北斗は最初は普通そうに見えましたが、薬を探す所なんかはまさにパニック障害を起こしていました。プラットホームでは電車に乗れずに具合が悪くかったり、弱々しい感じが伝わってきました。家で髪を切られたシーンでは怒ってしまうと思いきや、大爆笑したのは意外でした。自転車を乗るシーンもゆっくり漕いでいるのが印象的で、天気が良くわざと逆光で眩しく見せたり富士山が映っているのも拘りを感じました。
上白石萌音は、普段おっとりしている分、スイッチが入ると手がつけられない程で、松村北斗が1人で怒っていて下さいと言われ外に出された時は笑えました。車が汚いのを見ると綺麗にしたくなるのも、勉強の賜物で、感心してしまいました。
移動式プラネタリウムのイベントのアナウンスを2人で準備する所で、栗田社長の弟のカセットテープが凄く良くて通しで聞いてみたい程でした。ありきたりの内容だと面白くないし頭にも残らないと、自分の仕事に当てはめても勉強になりました。
栗田社長演じる光石研が本当に温かくて見守ってくれているのが、心地良かったです。こんな会社に働きたいと思う松村北斗の気持ちは分かります。
渋川清彦も親身になって寄り添ってくれて本当に良い先輩でした。こんな先輩世の中にいるんだなと思わせるような存在でした。
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