むぎ

夜明けのすべてのむぎのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.3
若者二人が自分の病と向き合っていくストーリー。うまく生きたいのに、病によってどうにもできないことのもどかしさと苦しさがすごく伝わってきた。よくあるそこから発展する恋愛系の話じゃなくて、お互いがお互いを理解し合って支え合っていく。あくまで他人だから、理解しきれなくてお互いがお互いに少し不器用な感じになってしまうのも良い。実際には描かれているような温かい人と職場なんてなかなかないんだろうけど、細かいところに散りばめられた繊細さや気遣いが丁寧に描かれていてよかった。とにかく二人の演技と声とがナチュラルで、松村北斗演じる山添と上白石萌音演じる藤沢のキャラクターもすごくよかった。山添くんと藤沢さんが出会ったことでお互いにもたらした小さな心の変化も、とても心温まった。
生きづらさや繊細さに悩む人にとってはとても共感できる話だと思う。
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