さなchan

夜明けのすべてのさなchanのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.6
KODAK16mm 500T使用の粗い夜景にぐっときた。
演出も演技も美術も録音も作り込みすぎないところがリアル。
上白石萌音ちゃんの大阪もしくは下町のおばちゃん気質な役柄も、松村北斗君の演技と思わせない朴訥な空気感も、作り込みすぎずリアル。
ストーリーも、それぞれの抱える問題をさらっと踏み込まずに描いているので、押しつけがましさがない。

邦題「夜明けのすべて」が英題では「All the Long Night」になっていて、それがまさに原作と映画の違いを象徴しているようで納得できた。


2回目鑑賞。
初回に見た舞台挨拶と情報満載すぎるパンフレットの内容を踏まえて確認したいことがあり、再び映画館へ。
2回観て一番良かったことは、雨の対比に気付けたこと。
原作には出てこないプラネタリウムの設定も、これは監督自ら仰ってましたが、コントロールできない自分の内側とコントロールできない外側の自然が作品の奥行きになっていたと思う。
まだまだ見落としがありそうなので3回目を副音声コメンタリーつきで観に行く予定です。スルメ映画です。
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