GOODNIGHT

Avalon アヴァロンのGOODNIGHTのレビュー・感想・評価

Avalon アヴァロン(2000年製作の映画)
5.0
この作品は、以後のSF系映画に多大なる影響を与えただろう作品である。正直、日本の映画としてこのレベルがいま、作れない現実に日本の映画の質が低下していることが悲しい。
まず、押井監督が全編をポーランドで撮影したという部分がすごい。監督はもはや、日本で撮影する意味がないとこの時点で言い切ってしまっていた。
これは、今の映画制作者はよく考えるべきだ。俳優とは、空っぽのコップなのだ。その俳優は自分の個性などは捨て去り、役という水でコップを満たさなければならない。それが昨今の映画ではコップに余計なものが入っていて役になりきっていない。
それが、この映画ではポーランド人の俳優に演じてもらうことで、コップは役だけでいっぱいで物語に没入することができるのだ。
そして、気の遠くなるようなエフェクトによる画面作り。この細やかな作業こそ日本映画らしい。
今となっては、既視感を覚えるような物語であるが、その既視感の原点と言えるこの映画を称賛したい。
これぞ、サイバーパンクである。
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