KingKazukiManji

AIR/エアのKingKazukiManjiのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
5.0
良質な作品を求めているなら、確実に”Air”を観るべきだとお勧めできる。

そもそも”エアジョーダン”が有名なこと、そして「伝説のナイキシューズ“エア ジョーダン”の誕生までの実話を描く」という触れ込みにより、サクセスストーリーということは言うまでもなく、何より観客は映画を観る前から分かっていただろう。ゴールの見えている作品は、我々に飽きと新鮮味のない退屈さを与えてくれるだろう。しかしながら、ベン・アフレックはそれを加味した上でも、我々の期待を裏切らない、期待通りの作品に仕上げていた。更にベン・アフレックは、エピローグとエンディングにおいて実際の映像を使うことで、マイケル・ジョーダンと契約を取ったという最高潮に盛り上がっているラストにおいて、我々の期待を超えることに成功していたであろう。

サクセスストーリーとしては、凡庸ではあるものの、マット・デイモンを初めとするキャスト達の演技力の高さと、スタッフ達の作り込みの巧みさが、映画のクオリティを完璧なものにしていた。キャストを見て解りきっていたが、本作を観てベン・アフレックの集大成が詰まっていたと作品と言っても過言ではないという確信が持てた。彼の今後の作品にも期待が掛かるところだ。

84年の作り込みが素晴らしく。映画ファンなら唸るであろうオープニングから引き込まれた。ビバリーヒルズ・コップのテーマが何度も使われていて、耳心地がとても良かった。小物もそうであるが、全然全体主義社会じゃないあのオーウェルの時代の作り込みが良かった。

久しぶりにクリス・タッカーをお目にかかったが、彼のキャラは健在だったし、何なら磨きがかかっていた。ジェイソン・ベイトマンも物凄く良かった。ヴィオラ・デイヴィスの存在感も素晴らしかった。

とにかく個人的に大満足な1本であった。
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