鉄男

ミンナのウタの鉄男のネタバレレビュー・内容・結末

ミンナのウタ(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

” 呪怨が好きな人は楽しいぞ。EXILEファンはタノシイゾ”

※本レビューはあくまで個人の見解です。見解の違う点、多少のネタバレ要素もあると思いますが、私なりの作品の魅力をお伝えいたします。


〈あらすじ〉
    EXILEを代表とするLDHグループの人気ユニット『GENERATIONS』。ある日メンバーの小森隼がパーソナリティを務めるラジオ番組でリスナーと生電話する企画中に怪しい電話が繋がる。

「カセットテープ、届いた?」

ノイズ混じりのその電話に困惑するも番組は進行する。収録終わりに小森はふと、収録前に倉庫でADと古いハガキなどを整理した時にカセットテープがあったことを思い出す。
帰宅前にもう一度倉庫に立ち寄るとそこには先程のADが例のテープを持って立ちすくんでいた。不安げに声をかけると、彼女は目の前で忽然と姿を消した。

そしてその夜、小森は謎の失踪を遂げた。

マネージャーである角田 凛(早見あかり)は突然の出来事に困惑し、探偵の権田継俊(マキタスポーツ)に捜査依頼を出す。他のGENERATIONSメンバーに聞き込みをする権田、その中で突如メンバーの1人である佐野玲於があるメロディーを口ずさむ。
不気味に思う権田と角田であったが、他のメンバーからも「隼人は歌に怯えていた。」、「テープが何とかって言っていた。」、「女の子を見た。」などと気味の悪い聴取が集まる。

調べていく中で権田達は冒頭のラジオ番組で触れていたカセットテープに何かあると思い立ち、白濱亜嵐率いる不可解な現象を体感したメンバー達と実際にそのテープを再生する。

テープには「ミンナのウタ」とタイトルが書かれており、そこには佐野や小森、メンバー達が口ずさんでいたあのメロディーが少女の声で収録されていた。そしてテープには手紙が同封されており、差出人が「高谷 さな」という少女であることが分かった。

しかし、このテープを聴いたことによりその場の全員が怪現象に巻き込まれ、「さな」と「ミンナのウタ」による恐ろしい呪いに襲われていく。


〈感想〉
     正直舐めてかかったらしっかり”ホラー映画”として楽しめた。

内容こそ込み入ったミステリー要素や濃いドラマ要素も無い為、しっかりめのホラーマニアやミステリー・サスペンス好きには脚本面で物足りなさはあるかもしれないが、シンプルだからこそストレートな展開を楽しめるし、オマージュ&清水節けっこう感じられて個人的に『呪怨』で感じたあのホラーエンタメ感を感じられた。

個人的に昨今の清水監督作品はもうエンタメに振りすぎてて私はハマるものが無かった(そのくせひと通り見てしまうが、、)

...だって伽椰子はキャラ立ちさせすぎてモンスターみたいになるし、戦慄迷宮とか映像メインにしたせいで内容あれやし、すぐ島行って幽霊(てか化け物?)に襲われるし。

だから逆にジャブが効いてたというか、これまでの物足りなさ+GENERATIONS全員起用という企画のせいで「もうフリやん...」と言わんばかりの期待値だった。

これ皆まんまと同じ状況にハマったと思う🙃

蓋を開くとちゃんと怖くてびっくり。恐らく女性客層やホラー初心者をターゲットにある程度しているからこそやりすぎなグロ要素、極端なジャンプスケアリー要素が無く設定も王道シンプルで恐怖演出が飲み込みやすかった。Jホラー特有の恐怖演出への溜めやフリ、清水監督作品らしさやセルフオマージュと思われるファンサシーンも盛り沢山で、劇場で観ながら「(これこれー♪)」と久しぶりに思えた。

更に言うと上記のグロやジャンプスケアリーを控えたことによりJホラー感がより増して感じられたのも本作のいいポイント。その上で結構恐怖演出は怖い所多くて、自販機もホテルの廊下もカセットのB面も、何より『ループお母さん』は分かっていても鑑賞時に「(ちょ来るな来るなっ)」と焦ったのは私だけでは無いと思う😦

しかもシンプルなストーリーとは言ったものの、恐らく結構な芸細要素あって、監督曰く「日常に恐怖を取り込む」要素は(正直分かりやすいけど)映画を盛り上げてくれていた。後はオマージュね、もう高谷家の流れが呪怨でしかなくて怖い反面喜びも込み上げた。弟としおやし笑。

あと個人的にはマキタスポーツ演じる権田がいい感じに空気を和らげるクッションになっててこれもエンタメ好きな清水監督らしい観やすい点だと思う。

総括、”めっちゃ怖い!”までいかないが”つまらない”ことも一切ない『ストレートJホラー』の良作だと思うからぜひ観て欲しい。


追記
この映画Cパート(エンドロール後の映像)あるので必ずみて欲しい&ここのレコーダーが”録音”になっている点が分かるとまたぞくっとしますよ。

※長い文でしたが読んでくださりありがとうございます。これからも皆様の素敵な映画体験のきっかけになれればと、自分なりのレビューを投稿いたします。
   面白かった、映画に興味が湧いた、また読みたいと思ってくださった方がいらっしゃれば、是非フォローよろしくお願いいたします。※
鉄男

鉄男