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古の王子と3つの花のYKのレビュー・感想・評価

古の王子と3つの花(2022年製作の映画)
3.5
3つの短編で構成されていて、最初の2つは寝てしまってほとんど観られなかった。短編はどれも「昔話」で、いわば教訓が含まれた話ばかりだが、これをつなぐ存在として「ストーリーテラー」が冒頭から登場する。彼女(?)はパリかどこかの工事現場付近に立ち、待ちゆく人々に向かってこれらの物語を語っている。なぜ工事現場?と思ったが、おそらく監督は、これらの昔話をあえて現代に伝えるべきと思ったのだと思う。時系列的に正しいかはわからないが、ノートルダム大聖堂の修復工事をイメージして作っていたのかもしれない。

3つ目の物語は、国を追われた王子が隣国で身分を隠して働き始め、やがてその国の王女に惹かれていくというもの。1つ目と2つ目は『夜のとばりの物語』のような横スクロールの平面的な画面だったが、3つ目だけ割と奥行きを出した作り方だった気がする。キャラクターのルックも作品によって違っていて、オスロ監督の作品は色彩や画面構成ばかり注目されるが、キャラの質感や表情の作り方なども毎回変えているんだなと初めて気づいた。
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