今年はハヤオが自身の総まとめ的な作品を世に送り出しましたが、もう1人そんな作品を作った大御所(自分にとっては)が居るんですね〜。
ミッシェル・オスロ
日本人の多くがアニメ映画といえばジブリで育った中で、オスロ監督の映画は私にとってのジブリでした。
彼の創るフランスらしい美しく純粋な世界で育つのは、西洋圏の作品にばかり興味を持つ要因となり、自身に日本カルチャー離れをもたらすことになります。
新作である本作を通して久しぶりに彼の作品に触れてみると、子供の頃の感覚が呼び起こされて、自分は、なんて大人になってしまったんだろうと思います。
負の感情ばかり抱えて生きて、こんなはずじゃなかっただろう、と。
だって彼の作品は20年経っても変わらずこんなに美しいのに。
そんな気づきで目眩がする。
それはそうと、今作は短編3つを寄せたオムニバス映画となっており毎話違った技法を楽しめるお得用。これらの技法は全てこれまで監督が使ってきたものなので、そういった意味で総まとめ的であり、入門編的でもあるのでおすすめ。
短編集ということで一つ一つが軽い感触にはなっていますが、表面上のシンプルな話の奥に強い想いが確かにあるのでなんでかすごい面白いんです。
今作を気に入った方は、是非とも長編にも手を出して欲しい。日本でこんな作品が人気になるのが私の理想ですから。
