Rita

窓ぎわのトットちゃんのRitaのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
3.9
黒柳徹子の自叙伝。

第2次世界大戦末期。トットちゃんは落ち着きがないことを理由に小学校を退学になってしまう。母親はトットちゃんのために、ユニークな校風のトモエ学園を見つける。通い始めたトットちゃんは小林先生に出会い、元気いっぱいの学校生活を送るようになる。

黒柳徹子の幼少期を自伝的に描いた「窓ぎわのトットちゃん」。日本で一番売れた本で、世界的ベストセラーの小説をアニメーションで映画化。

自分の意思を尊重してくれる小林校長先生と出会い、優しい生徒達に囲まれて育ったトットちゃんが凄く羨ましい。校長先生の心の暖さに胸が熱くなりました。環境や人が自分にもたらす影響は大きくて、辛い現実のなかでもありのままの自分を見失わずに自分でいることが出来るトットちゃんはとても強い。

トットちゃんとトモエ学園のお話ですが、それだけでなく、当時の戦争真っ只中の日本をこんなにも現実的に理解し、如何に残酷だったのかをこの作品を通して学びました。

東京大空襲の日、校長先生の夢の学校が燃えてしまう。焼けるトモエ学園を見ながら、そばに立っている息子に「おい、今度はどんな学校、作ろうか?」と言ったそうだ。この言葉を聞いて、校長先生のかっこよさに目いっぱいの涙が溢れました。

昔、中学生だった母が初めて読んだ小説が「窓ぎわのトットちゃん」だったらしい。見ることを勧められたので小説ではなく今作を観賞しました。トットちゃんがほんと少しでも私の幼少期と重なって見えて、最初から最後まで涙が止まりませんでした。
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