たけお

バカ塗りの娘のたけおのネタバレレビュー・内容・結末

バカ塗りの娘(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

心暖まるいい映画だった。
最近、一番好きな女優が堀田まゆさんで、かなり楽しみに見に行ったが、内容も派手さはないが、丁寧な素敵な映画だった。
堀田さんは、素朴でどんくさくも芯のある役が本当によく似合う。
今回の役も、化粧けもなく、地味なのに、にじみ出る可愛らしさが満開で、色恋は、早々とお兄ちゃんの恋人だったことで破れ、漆に恋する乙女でよかった。
下唇の下に吹出物があっても、補って余りある眼の輝きは流石だ。
青森の漆塗り=バカ塗り。バカ丁寧に何度も何度も塗り重ね、美しい色合いを出す伝統工芸品。
前半から、丁寧に、父親の小林薫さんと一緒に漆塗りの工程を魅せてくれ、その美しさに引き込まれていった。終盤は、堀田さんが、父親に反対されながらも、ピアノに津軽塗を施して、唯一無二の作品を仕上げていき、オランダ人に認められ、世界に出ていく姿までが描かれていて、まあ、そんなに甘い世界ではないとは思いながらも、派手にどんでん返しをするとかいうのではなく、しんみりと津軽塗の素晴らしさを表現する温かい映画だった。
ただ、宮田俊哉くんは、芝居が一人浮いてたね…
あと、お母さんは、久々に会っても、娘を信じないのが、ちょっと悲しかったな。離婚して、ある意味、子供を置いて逃げたんやから、心の部分では、娘をもっと信じて欲しかったなぁ…
伝統工芸を守る難しさと、それを大切に思う消費者側の気持ちがないと先は難しいなと思ったし、良いものは良い!この気持ちが大切だなとおもった。
温故知新…伝統に胡座を組まず、その技術をもって、新しき開拓をする勇気が必要なんだとも思わされた。、
たけお

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