このレビューはネタバレを含みます
2時間弱、終始すっきり観れた！
出だしからめちゃくちゃテンポよく話が進む！
実はあまり鳥山明作品に触れずに育ってしまっていて、今回観たのも割りと偶然ではあったのだけれど、結果的に最高だった！
めちゃくちゃなキャラクターたちは揃いも揃って魅力的すぎる。
戦車や巨大飛行船もデザイン、アクションがカッコいい！
ストーリーはとかくテンポの良さがありつつ目的が明確で分かりやすくて、更にバックグラウンドの深みがあったりでひたすら良かった！
途中途中で差し込まれるギャグ描写で基本安心して見続けられるのも良いところだなと。
それでもって人の欲望や、善悪、罪の意識というものを、ファンタジー世界のフィルターを通して嫌味なくもしっかり見せてくれたのもめちゃくちゃ良かった。
特に悪魔やピッチ人に対する無理解によって人間が必要以上に彼らを恐れたり対話を拒む描写は、2023年9月1日、関東大震災から100年のタイミングで観れたからこそ印象的だったし、これは個人的で偶然にしてもとても意義深く感じられるなと。
劇中の人間の姿勢は現代に生きる自分たちにもそのまま通じてしまうのよね。分からないから怖いで終わるのも駄目だし、「簡単に理解」（レッテル貼りとかもそうだしニセ科学とかにも言えるかも。）しようとするのは本当に危険だよなぁ。恐怖を恐怖のままにするでも、狂気や暴力に置き換えるのでもなく、頭使って理解しようと努力することで解毒を試みることは、いつも忘れちゃいけないなぁなんて。
自分だけの為、誰かの不利益の為ではなく、もっと皆でハッピーになりてぇなというのはまだまだ叫び続けなくてはいけないし、そのためにはもっと他を理解しようとすることや自分の中の偏見・恐怖を取り除くことにトライして、その難しさを思い知った上でバランスもとりつつ考え続けなくてはね。
てかそこに限らず背景になってる問題提起自体は割りと重めなやつをいくつもって感じだから、これをポップに楽しく、それでいてしっかり向き合える構成になってるのは鳥山明先生が凄いということなのだろうな。
imaseとmabanuaにはありがとう！爽快感のある娯楽作をめちゃくちゃ爽やかに締めてくれていた！
とにかく全体的にひたすら気持ちの良い作品だった！最高！
